ノロウイルスの予防方法・対策
手洗いはどのようにすればよいですか?
手洗いの手順は以下のとおりです。
流水ですすぐ
泡を手につけ、手のひらをこする
指の間をこする
手の甲をこする
指先をこする
親指の付け根をこする
流水で泡をしっかり落とす
手洗いの際は、指の間や付け根、手首までしっかり洗うことを心がけましょう。洗い残しやすい手の甲や指先を意識して洗うことも重要です。また、手荒れ部分にも汚れが残りやすいため、手の保湿をこまめに行いましょう。手洗いをすると、しない場合に比べて手指の残存ウイルスを大幅に減らすことができます。手洗いをしない場合に約1,000,000個だった残存ウイルスは、流水だけで約10,000個まで減らせます。ハンドソープで60秒もみ洗いした後、流水で15秒すすいだ場合、残存するウイルスは約10個です。さらに、ハンドソープで10秒もみ洗いした後に流水で15秒すすぐことを2回繰り返すと残存ウイルスが数個まで減らせることがわかっています。この結果から、ハンドソープでもみ洗いをした後、流水ですすぐことを繰り返すと感染予防に効果的です。日常生活で注意深く手を洗うべきタイミングとしては、吐瀉物を処理または接触した後や乳幼児の下痢や嘔吐に対応した後、公衆トイレを使用した後などです。また、日頃から帰宅時や食事前にはしっかりとハンドソープで手を洗う習慣をつけることで感染しにくくなります。
家族が感染した場合の注意点を教えてください。
ノロウイルスは85度で1分以上の加熱をするか、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒により不活化します。そのため、家族が感染した場合には、トイレの便器やドアノブを次亜塩素酸ナトリウムでこまめに消毒するようにしましょう。感染者が使用した後すぐに消毒することが重要です。トイレだけでなく、水道の蛇口や冷蔵庫の取っ手などがウイルスに汚染されやすいといわれています。これらの箇所をはじめ、家族がよく触れる場所を念入りに次亜塩素酸ナトリウムで消毒するように心がけましょう。ノロウイルスは、症状が消失した後にも約3〜7日間は感染者の排便中に排出されるため、症状がなくなってからも注意が必要です。家族に感染者がいる場合には、特に入念に手洗いを行い、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒や食品の加熱を心がけるようにしましょう。
予防接種ワクチンは受けた方がよいでしょうか?
ノロウイルスには予防接種ワクチンがありません。そのため、ノロウイルスに関する正しい知識を学習し、周囲の方と正しい手洗いをするよう声をかけ合うなど予防対策の徹底が重要です。
編集部まとめ
ノロウイルスに感染する原因や症状、感染経路、予防策を解説してきました。
ノロウイルスは感染対策の徹底により予防できます。正しい知識を持ち、家族や職場で声をかけ合って、適切なタイミングで十分な手洗いを行うことが大切です。
周りに感染者が発生した場合には、使用後のトイレや手で触れることの多い場所を次亜塩素酸で消毒するようにしましょう。
ノロウイルスに感染しても通常は軽症で済みますが、高齢者や乳幼児が感染した場合には、脱水や嘔吐時の誤嚥性肺炎や窒息などのリスクがあります。
症状の悪化や食事摂取状況に注意し、必要時は速やかに医療機関を受診しましょう。
参考文献
ノロウイルスに関するQ&A(厚生労働省)
高齢者のウイルス感染症の現状と対策 3.ノロウイルス感染症
配信: Medical DOC
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