健康診断の目的と検査項目
それでは、健康診断の目的と検査項目について述べます。
健康診断の目的
健康診断の主な目的は、早期発見と早期治療です。定期的な健康診断を受けることで、生活習慣病やがんなどの重篤な疾患を早期に発見し、適切な治療を受けることができます。
健康診断の検査項目
一般的な健康の項目には、以下のようなものがあります。
身長・体重測定
血圧測定
血液検査(血糖値、コレステロール値など)
尿検査
視力・聴力検査
胸部X線検査
これらに加えて、がん検診として血液検査に腫瘍マーカーであるPSA測定を追加することも可能です。また、子宮頸がん検診や乳がん検診、胃がん検診(胃のバリウム検査や胃の内視鏡検査)、大腸がん検診(大腸内視鏡検査など)などを追加することもできます。
健康診断でわかる病気・疾患は?
ここではMedical DOC監修医が健康診断でわかる病気・疾患について解説します。
高血圧
高血圧とは、血圧が高い状態が持続する病気で、心臓や血管に負担をかけます。主な原因には遺伝、食塩摂取過多、肥満、ストレス、運動不足などがあります。高血圧の治療には、生活習慣の改善(減塩、適度な運動、体重管理など)と薬物療法があります。降圧薬を使用して血圧を管理することが一般的です。
血圧が140/90mmHg以上の場合は医師の診察を受けることが推奨されます。また、症状がなくても定期的な検査を受けることが重要です。
内科や循環器内科を受診すると良いでしょう。
糖尿病
糖尿病は、血糖値が高くなる病気で、インスリンの分泌不足や作用低下が原因です。主な原因には遺伝、肥満、不健康な食生活、運動不足などがあります。
治療には、食事療法、運動療法、薬物療法(インスリン療法や経口血糖降下薬)があります。これらの方法で、血糖値をコントロールすることが重要です。
空腹時血糖値が126mg/dL以上、または随時血糖値が200mg/dL以上の場合は医師の診察が必要です。
内科や糖尿病専門医を受診すると良いでしょう。
脂質異常症
脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の値が正常範囲を超える状態を指します。主な原因には遺伝、食生活の乱れ、運動不足、肥満、アルコールの過剰摂取などがあります。
治療には、生活習慣の改善(バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、適量の飲酒)が含まれます。薬物療法としては、スタチン系薬剤、フィブラート系薬剤などが使用されます。定期的な検査で脂質の値を管理することが重要です。
LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満、または中性脂肪が150mg/dL以上の場合は医師の診察を受けることがすすめられます。
内科や循環器内科を受診すると良いでしょう。
肝硬変
肝硬変とは、肝臓の正常な構造が破壊され、繊維化、つまり硬くなった組織に置き換わる病気です。主な原因には、慢性肝炎(B型・C型肝炎ウイルス感染)、アルコールの過剰摂取、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などがあります。
治療には、肝炎の治療(抗ウイルス薬)、アルコールの禁酒、栄養管理、薬物療法(利尿薬、抗生物質)があります。肝硬変が進行すると、肝移植が必要になることがあります。
黄疸、腹水、意識障害、出血傾向などの症状が現れた場合、直ちに医師の診察を受けることが重要です。
消化器内科や肝臓内科を受診すると良いでしょう。
腎不全
腎不全とは、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物や余分な水分を十分に排出できなくなる病気です。原因には、高血圧や糖尿病、腎炎、腎臓の感染症、薬物の副作用などがあります。
対処法には、食事療法(低塩、低タンパク質食)、薬物療法、血液透析、腹膜透析などがあります。重症の場合は、腎移植が必要になることもあります。
血圧のコントロールが難しい、尿量が減少する、むくみが生じる場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。
腎臓内科や泌尿器科を受診すると良いでしょう。
配信: Medical DOC