認知症の原因となる可能性の高い食べもの
地中海食などは認知症になりにくい食事として知られており、糖質や動物性脂肪を控え、食物繊維の多い食習慣は望ましいとされています。そのため、特定の食べ物の摂取が認知症の発症に大きく影響するというわけではないですが、たくさん摂取することを控えた方がよいとされている食べ物はあります。食事はバランスよく摂取することが大事であり、完全に除去する必要はありませんが、以下のものについては控えるとよいでしょう。
ラード、肉の脂身
牛や豚などの肉の脂身にはトランス脂肪酸が多く含まれます。トランス脂肪酸を多く摂取すると血中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加し、動脈硬化が悪化する要因となります。動脈硬化は脳血流の低下や脳梗塞を引き起こし、認知機能を悪化させる原因となります。
バターやマーガリン
バターやマーガリンにも動物由来の脂質が多く含まれており、トランス脂肪酸は多く含有しています。日常的に使用することも多い食品であり、摂取量が多くならないように注意が必要です。
菓子パン
菓子パンにはバターやマーガリンなどを多く含むものもあるため、注意が必要です。また、パンを含む穀物の過剰摂取は認知症のリスクを高めるとの報告があり、菓子パンは主に炭水化物や糖質で中心となるため、注意が必要です。穀物を過剰摂取している方は副菜をあまり食べておらず、その他の栄養素が不足していることが影響しているとも言われていますが、穀物の過剰摂取にも注意した方がよいでしょう。
過度な飲酒
過度な飲酒は脳の萎縮を引き起こすことが知られており、飲酒をする場合には節度を持って楽しみましょう。厚生労働省が推進する健康日本21では、アルコール摂取量の目安は純アルコールで1日20g程度とされており、飲酒量はビールではロング缶(500ml)1本、日本酒では1合程度に抑え、休肝日も作りましょう。
認知症の予防法
認知機能低下の予防には規則正しい生活をすること、バランスの取れた食事をすること、適度な運動することに加えて、「考える」「行動する」ことを日常的に行うことが重要です。また生活習慣病が認知症につながることも報告されており、高血圧や糖尿病、高コレステロール血症の予防や治療、禁煙、節酒も心がけましょう。
社会人活動への参加
認知症の予防には人と会話する、一緒に活動することがとても大切です。他人と一緒に行動することで責任感が生まれたり、活動意欲が改善したりすることが期待できます。また、単純に会話をするだけでも思い出したり、考えたりしながら話すことで認知症の予防につながります。
定年後再雇用制度を利用した勤務の継続や社会人サークルへの参加、町内会やボランティア活動への参加などを行い、社会的な交流を維持するように努めましょう。
適度な運動
ウォーキングなどの適度な運動は認知症の進行を抑えるだけでなく、肥満の予防や食欲の維持など、一般的な健康を維持するためにも重要です。
外出をすることで他者との交流の機会になったり、季節を感じたりできることも認知症の予防につながります。転倒や交通事故などに注意しつつ、散歩などを行うとよいでしょう。
知的活動
将棋やクロスワード、数独、パズルゲームなどの知的活動も認知機能の維持に有用です。知的活動はその人ごとに合ったレベルのものが望ましく、成功体験を積み上げることで継続する意欲や自信につながります。
生活習慣病の発症予防・悪化予防
生活習慣病の予防には食事療法(減塩、バランスの取れた食事、カロリー調整)や運動療法、禁煙や節酒などがあります。食事療法は塩化ナトリウム6g前後を目標とした減塩や野菜や果物なども取り入れたバランスの取れた食事、過度に食べ過ぎないことなどに意識して取り組みましょう。運動療法は軽く息がきれる程度の軽い運動(有酸素運動)を1日あたり30〜60分以上行うとよいでしょう。
配信: Medical DOC