腱鞘巨細胞腫の前兆や初期症状について
腱鞘巨細胞腫の初期症状は、手指や足趾にちいさなイボ状の腫瘍があるのを自覚することです。ほとんどの場合は痛みなどの症状がないため放置され、徐々に進行していきます。
進行すると腫瘍の大きさは5cm程度にまで成長し、場合によっては周囲の骨や関節を圧迫し、破壊する可能性があります。
腫瘍が周囲の骨や関節を破壊する段階まで大きくなると、破壊された骨や骨膜組織から痛みを感じることがあります。
また腱鞘巨細胞腫が関節の動きを制限し、突っ張り感を感じたり関節の可動域が狭くなったりといった悪影響が出る可能性もあります。
腱鞘巨細胞腫の検査・診断
腱鞘巨細胞腫は画像検査・生検検査によって診断されます。
画像診断ではまず、MRIが有効です。良性腫瘍の一種である腱鞘巨細胞腫では、輪郭のはっきりとした腫瘍組織像を得られることが特徴となっています。
腫瘍組織の画像検査としては、MRIだけでなくエコーも有効です。検査に時間がかかるMRIと違ってエコーであれば、比較的短時間で撮影できるメリットがあります。デメリットはMRIと比較すると画像の精度が落ちることです。
また、腱鞘巨細胞腫が大きく進行し隣接する骨・関節を圧迫している場合は、レントゲン・CTで骨の状態を把握できます。
生検検査では針を腫瘍組織に刺し、細胞を吸引して検査する穿刺吸引細胞診をおこないます。腱鞘巨細胞腫は特徴的な病理所見が得られるため、生検検査が腱鞘巨細胞腫の確定診断に役立ちます。
配信: Medical DOC