鼓膜穿孔の前兆や初期症状について
鼓膜穿孔の症状は、外傷が原因の場合と中耳炎などの炎症が原因の場合とに分けられます。
外傷が原因の場合
外傷が原因で鼓膜穿孔が起こると、耳の中に強い痛みが走ります。痛みは短期間で収まることもありますが、耳の奥でズキズキとした違和感が残るケースも少なくありません。
さらに、耳から少量の出血が見られ、出血にともなって耳の中が湿った感覚が続く場合があります。
急な聴力の低下や「キーン」とした耳鳴りなどの症状が生じるのも特徴です。
中耳炎などの炎症が原因の場合
中耳炎などの炎症が原因で鼓膜穿孔が生じる場合、痛みや難聴、耳閉感が主な症状としてあらわれます。耳が詰まっているような感覚が強く、周囲の音が聞こえにくくなるのが特徴です。
また、中耳に溜まっていた膿や液体が耳から流れ出すことがあります。膿や液体が耳の中から排出されると痛みは軽減されますが、耳の不快感が残ります。
さらに、中耳炎による発熱や全身のだるさが見られることも多く、特に子どもでは高熱が出て体力の低下や倦怠感が強くあらわれることが一般的です。
鼓膜穿孔の検査・診断
鼓膜穿孔自体は、医師が鼓膜の状態を確認することですぐに診察が可能です。しかし、原因や状態を把握する必要があるため、必要に応じて耳鏡検査や細菌培養検査、耳管機能検査などが行われます。
耳鏡検査
耳鏡を用いて鼓膜に穴が開いているか、炎症や出血がないかを確認します。穴の位置や大きさはもちろん、周囲の状態も確認することで、状態の確認だけでなく治療方針を決定する際の参考にします。
細菌培養検査
鼓膜穿孔の原因として細菌感染が疑われる場合、細菌培養検査が実施されることがあります。耳から分泌される液体を採取して培養し、感染を引き起こしている細菌の種類を特定します。
細菌の特定により、適切な抗生物質を選択することが可能となり、効果的な治療が行えるようになります。
耳管機能検査
気圧の変動が原因で鼓膜穿孔が生じた場合、耳管機能検査が行われることがあります。耳管は中耳と鼻腔をつなぎ、気圧の調整を行う役割を持っています。この検査では、耳管の開閉や圧力変化への反応を確認し、異常がないかを診断します。
配信: Medical DOC