「ちょっと周りと違うのかな?」「なぜうまくいかないんだろう?」そんな風に悩んだことはありませんか?もしかしたら、あなたは軽度知的障害の可能性があるかもしれません。
本記事では大人の軽度知的障害の特徴について以下の点を中心にご紹介します。
・大人の軽度知的障害の特徴とは
・大人の軽度知的障害の原因
・大人の軽度知的障害に対するアプローチ
大人の軽度知的障害の特徴について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
≫「知的障害の原因」はご存知ですか?症状や特徴も解説!【医師監修】
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
大人の軽度知的障害の特徴
大人の軽度知的障害の特徴を教えてください
大人の軽度知的障害は、主に生活や仕事のなかで困難が表れます。具体的には、携帯電話の契約や役所への届け出といった手続きでの困難や、仕事における業務の理解や人間関係での問題が挙げられます。
子どもの頃は、学校や家庭での支援があったため、自身が軽度知的障害であることに気付かない場合もありますが、大人になって自立した生活を送るようになると、こうした困りごとが顕在化します。
また、物事を覚えるのに時間がかかる、複雑な指示を理解しづらい、コミュニケーションが苦手といった特徴もあるため、職場での孤立感や生きづらさを感じるケースが多いようです。
大人の軽度知的障害の原因を教えてください
知的障害の原因は、先天的要因、周産期要因、後天的要因に分類されます。
・先天的要因:遺伝子や染色体の異常、妊娠中のアルコール摂取や胎児期の感染症などが含まれます。
・周産期要因:出産時のトラブルや新生児期の感染症などです。
・後天的要因:事故による頭部の外傷や重篤な感染症が挙げられます。
以上のような要因が複雑に絡み合い、知的機能の発達に影響を及ぼすとされていますが、すべての原因が明らかになっているわけではなく、原因不明の場合も少なくありません。
また、軽度知的障害の原因は、主に出生前から成長期にかけて生じる要因によるもので、大人になってから発生するものではないとされています。
大人の軽度知的障害と子どもの軽度知的障害との違いを教えてください
子どもの場合は、学校生活において読み書きや計算が苦手で、複雑な表現の理解や集団生活のルールに適応するのが難しいといった特徴が見られます。
また、保護者や先生の支援があるため、自身が障害を抱えていると気付かないことも少なくありません。
一方で、大人になると自立して手続きを行ったり、仕事をしたりするなかで、業務内容の理解や人間関係に困難が顕在化します。周囲からは一見自立しているように見えるため、支援を受けにくい場合が多いようです。
大人の軽度知的障害の特徴と日常生活
大人の軽度知的障害は、日常生活にはどのような影響が出やすいですか?
日常生活における影響は、仕事では新しいことを覚えるのに時間がかかり、複雑な指示の理解に苦労することが多く、スケジュール管理や複雑な計算が難しい場面があります。
また、コミュニケーションが苦手で、周囲の感情を汲み取るのが難しく、職場での人間関係に影響が出ることも少なくありません。
加えて、文章を読むのが苦手なため、仕事でのメールや資料の理解に負担を感じることがあります。
大人の軽度知的障害は、日常生活で判明する場合がありますか?
はい、大人の軽度知的障害は、ライフステージが変わることで日常生活や仕事で困難が顕在化し、その結果として判明する場合があります。
例えば、大人になって仕事や役所での手続きなどを自力で行うなかで、困難を感じ診断を受けるケースが少なくありません。
大人の軽度知的障害は、日常生活で違和感を感じた場合はどこで診断が受けられますか?
大人の軽度知的障害で診断が必要な場合、精神科、神経科、心療内科などで知能検査や適応能力の評価が行われます。診断に至るまでには複数回の受診や検査が必要な場合があり、家族や周囲のサポートを受けながら進めることが大切です。
大人の軽度知的障害が疑われる場合は、まず発達障害者支援センターや障害者就業・生活支援センターなど、相談機関の利用がおすすめです。無料で相談できるこれらの窓口では、必要に応じて上記のような医療機関への受診を勧められることがあります。
大人の軽度知的障害の診断方法を教えてください
大人の軽度知的障害の診断は、知能検査や日常生活の適応能力の評価を通じて行われます。
まず、原因疾患がないかどうかを調べるために、染色体異常や先天的な疾患が確認されます。
その後、概念的領域(記憶、言語、数学的思考など)、社会的領域(共感力、対人スキルなど)、実用的領域(セルフケアや金銭管理など)の3つの領域に分けて、日常生活での適応機能が評価されます。
また、標準化された知能検査(WAISやWISC)などを用い、知能指数(IQ)や適応能力を測定します。診断は一度で確定することは少なく、複数回の評価や行動観察が行われます。判定には過去の学校の通知表やテストの結果を参考にするケースもあります。
配信: Medical DOC