「脳動静脈奇形」を発症するとどのような危険があるかご存知ですか? 脳出血・くも膜下出血 を引き起こすこともある?

「脳動静脈奇形」を発症するとどのような危険があるかご存知ですか? 脳出血・くも膜下出血 を引き起こすこともある?

脳動静脈奇形の前兆や初期症状について

脳動静脈奇形の多くは特別な症状は出現せず、画像検査で偶然発見されることも少なくありません。

症状が出現した場合は、激しい頭痛が生じることがあり、これは脳出血やくも膜下出血の前兆である可能性があります。
その他はてんかん発作やめまい、視覚障害、吐き気などが起こることもあります。

症状が現れた場合、早急に救急外来に受診することが重要です。
適切な処置を受けることで、命が助かるケースも多いですが、手足の麻痺や言語障害、四肢のしびれなどの後遺症が残る可能性もあります。

持続する頭痛などの症状がある場合は、脳神経外科で一度診察を受けることも大切です。

脳動静脈奇形の検査・診断

脳動静脈奇形の検査では、CT検査やMRI検査、脳血管撮影、脳血流シンチグラフィ、脳波の検査をおこないます。
それぞれの検査によって脳動静脈奇形の確定診断や、治療方針の決定を進めていきます。

CT検査・MRI検査

CT検査はX線を用いて脳の状態を即時に撮影し、出血の有無や範囲を確認する検査です。
MRI検査は強力な磁場と電波を使用して、脳の断面をより詳細に撮影します。
CT検査とMRI検査で、脳動静脈奇形の存在や大きさ、位置、周囲組織との関係を正確に把握します。

脳血管撮影

脳血管撮影は足の血管からカテーテルを挿入し、血管内に造影剤を流し入れて脳血管の状態を撮影する検査です。
X線で連続的に撮影することで、脳血管の詳細な構造を把握します。
脳動静脈奇形の大きさや場所、形、塊をつくっている動脈や静脈について詳しく確かめられます。

脳血管撮影は脳動静脈奇形の確定診断や、治療方針の決定に必要です。
まれに合併症が起こるリスクがあるため、経験のある専門医師によって慎重におこなわれます。

脳血流シンチグラフィ

脳血流シンチグラフィは放射線を放出する検査薬を注射し、脳に取り込まれた検査薬から放出される放射線をカメラで撮影して脳血流の状態を確かめる検査です。
脳動静脈奇形では、血管の塊や周りの脳組織の血流低下を確認できます。
脳出血やくも膜下出血、てんかん発作などの病態もより明確に把握できます。

脳波の検査

脳波の検査はてんかん発作の診断に必要で、頭部に電極を装着して脳の電気信号を測定します。
脳波を測定することで、てんかん発作の特徴や発生部位を特定することも可能です。
てんかん発作を繰り返す人は、発作が起きていないときでも特有の所見が見られることがあります。

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