脳動静脈奇形の治療
脳動静脈奇形の治療では、開頭摘出術や脳血管内塞栓術、ガンマナイフ治療をおこないます。
それぞれの治療は脳動静脈奇形の大きさや部位を考慮しながら選択され、併用する場合もあります。
出血するリスクが低い場合は、治療せずにしばらく経過観察するケースもあります。
開頭摘出術
開頭摘出術は全身麻酔下で頭部を切開して脳動静脈奇形を摘出する手術です。
顕微鏡を用いて血管の塊を周囲の正常脳組織から慎重に分離し、完全に摘出します。
根治可能な治療ではありますが、部位によっては神経症状が出現し、大きな危険性を伴う可能性があります。
脳血管内塞栓術
脳血管内塞栓術は、脳動静脈奇形に血液を送る動脈を閉塞させる手術です。
大腿動脈からカテーテルを挿入し、金属コイルなどの塞栓物質を動脈に流し入れて選択的に閉塞させます。
開頭摘出術と比べリスクの低い施術ですが、根治は難しく、ほかの治療法を併用するケースが多いです。
ガンマナイフ治療
ガンマナイフ治療は頭に専用のヘルメットを装着し、脳動静脈奇形に対して放射線を照射する非侵襲的な治療です。
脳内のどの部位に対しても治療できるため、手術のリスクが高いケースでも適応できます。
医療機関によっては外来で治療できることもあり、通常の日常生活にすぐ戻れる利点があります。
しかし、効果はゆっくり現れるため、完全に治癒するまで3年程度時間がかかったり、ほとんど反応が見られない場合もあります。
脳動静脈奇形になりやすい人・予防の方法
脳動静脈奇形になりやすい人や予防の方法はわかっていません。
しかし、脳動静脈奇形がみつかった場合は脳神経外科で定期的な検診を受け、脳出血やくも膜下出血などのリスクを減らすように努めましょう。
激しい頭痛や嘔吐、めまい、手足の麻痺、ろれつ不良、意識障害などの症状が現れた場合は、すぐに救急要請するか、救急外来に受診しましょう。
てんかん発作
参考文献
一般社団法人日本ガンマナイフ学会主な適応疾患脳動静脈奇形(AVM)
一般社団法人日本脳神経外科学会脳動静脈奇形
小児慢性特定疾病情報センター36脳動静脈奇形
配信: Medical DOC
関連記事: