臍帯巻絡の治療
臍帯巻絡に対する直接的な治療法はありません。
もし臍帯巻絡が生じていても、胎児の成長や分娩時のリスクに大きな影響はないと考えられています。そのため、分娩開始前に臍帯巻絡と診断された場合でも、大半は経過観察となります。臍帯が強く巻きついている場合や、何重にも巻きついている場合には、帝王切開などの計画分娩も検討されます。
臍帯巻絡の診断を受けると不安を抱くかもしれません。また、分娩開始後にはじめて臍帯巻絡が確認できることや、分娩中に巻絡が生じることもあります。しかし、臍帯巻絡は決して珍しい症例ではないことを知っておき、過度に心配しすぎず、医師の指導のもとで冷静に経過を見守ることが大切です。
臍帯巻絡になりやすい人・予防の方法
臍帯巻絡は、臍帯の長さや胎児の活動が原因となるため、一般的に、臍帯が長い方は臍帯巻絡のリスクは高いと考えられています。
また、一絨毛膜一羊膜双胎とよばれる多胎妊娠(双子や三つ子などの妊娠)では、ひとつの羊膜内で複数の胎児が育つため、相互に臍帯が絡み合う相互巻絡(そうごけんらく)のリスクが高まると考えられています。この場合、より注意深く胎児の状態を確認することが必要です。
臍帯巻絡を予防する方法はありませんが、妊娠・出産に関するリスク管理は、産婦人科や助産院などでのアドバイスに従い、定期的な検査を受けることが重要です。
関連する病気
臍帯真結
臍帯下垂
臍帯脱出
胎児低酸素症
胎児呼吸循環不全
胎児胎盤機能不全
胎児仮死(ジストレス)
子宮内胎児死亡
参考文献
公益社団法人 日本産婦人科医会 32. 臍帯巻絡・真結節
公益社団法人 日本産婦人科医会 へその緒が絡まっているといわれましたが大丈夫でしょうか?
公益社団法人 日本産婦人科医会 25. 胎盤・臍帯の超音波像
日産婦誌 61巻 3 号 D . 産科疾患の 診断・治療・管理
日本産科婦人科学会 産科婦人科用語解説集
国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 多胎妊娠外来
公益社団法人 日本産婦人科医会 39. 超音波ドプラ
配信: Medical DOC
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