病について深く知れば、普通の生活も送れる
編集部
多発性硬化症という病気について、よく知らない人や普段意識することなく過ごしている方に、どんなことを伝えたいですか?
S・Iさん
多発性硬化症という病気は見た目ではわかりにくいため、周囲にいる人には罹患していることがわかりづらいです。そのため、人によっては病気への理解が得にくく、苦労することもあると思います。また、この病気でなかったとしても不自由を感じている患者さんはいるはずです。ですから、近くにヘルプマークをつけている人がいたら、何かできることはないかなど、少しずつでも声をかけてもらえると嬉しいです。
編集部
これまでの経験を通して、これからの医療従事者に伝えたいことや希望することはどんなことでしょうか?
S・Iさん
いつも多くの話を聞いてくださって、本当に心の支えになっています。これからも医療的な話だけでなく、患者さんの人生に寄り添った対話ができることも願っています。
編集部
最後に読者の方へのメッセージをお願いできますか?
S・Iさん
多発性硬化症は一生付き合っていく病気ですが、症状をコントロールできれば普通の人と変わらない生活を送れます。私自身も調子の波はありますが、できる範囲のことを全力で楽しんで生活しています。今現在も闘病を続けている方にも、周りの人の助けを借りながら人生を楽しんでほしいです。
編集部まとめ
多発性硬化症は日本国内に1万7000人以上の患者がいると推計され、30代までの若年層に多く発症することがわかっています。自己免疫性疾患とされ、はっきりとした原因は明らかになっていませんが、薬物療法によるコントロールでS・Iさんのように普通の生活を送ることもできます。もしも視野の欠けや物が二重に見える、手足の動きにくさ、しゃべりにくさ、話しにくさなどの症状があれば、一度神経内科を受診してみましょう。早期発見・早期治療をすれば寛解も早くなるため、「おかしい」と感じたときに受診することが大切です。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
配信: Medical DOC
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