表皮母斑の前兆や初期症状について
表皮母斑は出生児や小児期に発症する皮膚の病気であり、目立った前兆はありません。初期症状では小さな茶褐色の母斑が胸などの皮膚に生じ、身体の成長とともに徐々に大きくなります。
母斑の表面は隆起しザラザラとした触感が特徴です。疣状母斑では身体の一部に発症しますが、列序性母斑はあらゆる部位に母斑が広がります。まれに腫瘍化するケースもあります。
表皮母斑の検査・診断
表皮母斑の検査として、まず視診・触診をおこないます。視診では表皮母斑の特徴である茶褐色の組織を確認し、ザラザラしているかどうかなどを確認します。
視診・触診での臨床検査とともに、病理検査も必要です。母斑には表皮母斑のほかにも数種類あるため、確定診断のためには病理検査として生体組織検査をおこないます。
生体組織検査では表皮母斑が疑われる皮膚の一部を採取し、詳しい状態を調べます。表皮母斑は表皮組織の肥厚化(分厚くなること)や組織の空洞化、粒状や繊維状の組織などが認められます。
電子顕微鏡で表皮母斑の組織を検査をすると、細胞内の網状の物質(トノフィラメント)が異常に太く発達し、一部に密集している様子が確認できます。加えて、表皮の中に存在する扁平な組織(ケラチノサイト)が異常に大きくなっていたり、むくんでいたりするのも特徴です。
配信: Medical DOC