特発性細菌性腹膜炎の前兆や初期症状について
特発性細菌性腹膜炎の初期症状として、腹痛や倦怠感、腹部の膨満感があげられます。症状の進行に伴い、発熱、嘔吐、意識障害なども見られるようになります。
急な腹痛や圧痛、腹部の膨満感
腹膜に細菌が感染すると、腹部全体に痛みが広がります。特に腹部を軽く押したときに強い痛みを感じる「圧痛」があり、特発性細菌性腹膜炎の初期症状として重要なサインとなります。痛みは突然あらわれることが多く、徐々に強くなる傾向があります。
発熱や倦怠感
特発性細菌性腹膜炎が発症すると細菌に対抗するために体温が上昇し、発熱が生じます。また、発熱にともない、体がだるく感じる倦怠感や疲労感もあらわれます。
吐き気や嘔吐
特発性細菌性腹膜炎が進行すると、胃腸にも影響が及び、消化不良や吐き気、嘔吐を引き起こすことがあります。吐き気や嘔吐にともない、食欲も低下することで栄養不足や疲労感を引き起こす場合があります。
集中力の低下や意識障害
特発性細菌性腹膜炎の進行にともない、脳や神経系にも悪影響がおよび、集中力の低下や突然の意識障害が見られることがあります。特発性細菌性腹膜炎が進行している危険なサインと考えられています。
特発性細菌性腹膜炎の検査・診断
特発性細菌性腹膜炎は、主に腹水穿刺検査や腹水培養検査によって診断が行われます。これらの検査では、細菌感染の有無や原因菌の種類を調べます。
腹水穿刺(ふくすいせんし)検査
腹水穿刺検査では、少量の腹水を採取し、腹水中の白血球数が増加しているか、細菌が存在するかを確認します。細菌感染が確認された場合、腹水培養検査を行います。
腹水培養検査
採取した腹水を培養にかけ、感染している大腸菌や腸球菌といった細菌の種類を特定します。細菌の特定とは別に、腹水中の好中球数なども検査します。
画像検査
特発性細菌性腹膜炎の診断においては、同じような症状を引き起こす他の病気(消化管穿孔や急性虫垂炎の破裂、腸捻転など)との鑑別も重要です。その際には画像検査も活用されます。
配信: Medical DOC