特発性細菌性腹膜炎の治療
特発性細菌性腹膜炎の治療では、抗生物質による薬物療法が主軸となります。早期治療が生命予後に影響をおよぼすため、感染が確認された場合は速やかに治療が開始されます。
薬物療法
特発性細菌性腹膜炎は細菌感染が原因のため、抗生物質による治療が有効です。細菌培養検査の結果に基づいて、原因菌に最も効果的な抗生物質が選択されます。
抗生物質と同時にアルブミンを投与するケースもあります。抗生物質だけによる治療よりも、効果的な治療ができるという報告があります。
また、特発性細菌性腹膜炎は治療を行っても再発するケースが多いため、治療後も再発予防を目的とした抗生物質が投与されることもあります。
特発性細菌性腹膜炎になりやすい人・予防の方法
特発性細菌性腹膜炎の発症例は、肝硬変以外の病気の合併症としても報告がありますが、とくに肝硬変によって腹水の溜まっている患者さんに発症が見られ、重篤化しやすい病気です。
したがって、肝硬変を発症しないことが、この病気の最初の予防法と言えます。
すでに肝硬変を発症してしまっている患者さんは、医師の指導のもと、肝硬変や腹水の状態が悪化しないように、食事療法や薬物療法によって発症予防に努める必要があります。
慢性肝炎
ネフローゼ症候群慢性腎不全心不全ウィルソン病全身性エリテマトーデス慢性閉塞性肺疾患
参考文献
日本消化器学会「日本消化器学会・日本肝臓学会 肝硬変診療ガイドライン2020(改訂第3版)」
医療法人社団豊正会 大垣中央病院「特発性細菌性腹膜炎(SBP)」
公立学校共済組合「お腹に水がたまる?!腹水の新たな治療法」
J-Stage「特発性細菌性腹膜炎における腹水培養および血液培養検査の評価と有効性の検討」
配信: Medical DOC
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