日本人で増えている「食道胃接合部がん」で生存期間の改善を確認 研究で明らかに

日本人で増えている「食道胃接合部がん」で生存期間の改善を確認 研究で明らかに

研究内容への受け止めは?

オーストラリアのシドニー大学らの研究グループが発表した内容について、受け止めを教えてください。

眞鍋先生

新しい医薬品が患者さんの手に渡るまでには多くの段階を踏む必要があり、その中で特に重要なのが臨床試験です。臨床試験は、新しい薬の効果や安全性を人に対して実際に確かめるための試験で、大きく分けて以下の4つの段階があります。今回の研究はそのうちの3番目、Ⅲ相試験にあたり、新しい薬が本当に効果があり、安全であることを大規模な集団で確認するための最終段階です。Ⅲ相試験では、新しい薬と既存の治療法、またはプラセボを比較し、より効果的で安全な治療法を選ぶためのデータを集めます。

レゴラフェニブという薬は、がん細胞の増殖を抑える働きを持つ分子標的薬の一種です。今回の研究では、レゴラフェニブがすでに治療を受けている難治性の進行胃がんおよび食道胃接合部のがん患者において、生存期間を改善する可能性を示しました。これにより今後、この薬のこのがんに対する使用が承認されると、第Ⅳ相試験(上市後の薬の安全性や新たな効果などをさらに詳しく調べる試験)へと移行していくでしょう。

編集部まとめ

オーストラリアのシドニー大学らの研究グループは、難治性の食道胃接合部がんに対して、経口マルチキナーゼ阻害薬であるレゴラフェニブを投与すると、投与しなかった群と比べて生存期間が改善したという結果を示したと発表しました。日本でも増加傾向にある食道胃接合部がんに関する研究は、注目を集めそうです。

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