PTA代行 ベルマークや交通立哨代行などにも対応可
PTA代行は、どこまで代行してくれるのでしょうか。サービスを行っている株式会社クラッシーの代表取締役・植田貴世子さんに話をうかがいました。
「例えば当社の場合は、ご夫婦ともにフルタイム勤務で、PTA活動に参加できない方の代理としてベルマーク活動に参加するということがあります。こういったように、“●●を代わりにやってほしい”というお客様のご要望にお応えしています」(植田さん、以下同)
前述の他にも以下のような代行を請け負ったことがあるそうです。
・小学校の入学前体験授業に母親の代理で出席
・学校行事(音楽会)の事前準備の手伝い
・年間のPTA会議の議事録のパソコン入力
・小学校の交通立哨当番の代行
※あきらかに代行が不正、あるいは不当行為に当たる場合は受けない
共働き家庭はもちろん、専業主婦であっても、赤ちゃんを育てながら上の子の学校行事に参加するのは難しいことが多々あります。そんなときに、代行サービスは便利な存在ですが、いまいち拡がっていない印象…。いったい、なぜ?
「本人たちも困っているにもかかわらず、世のなかの慣行や慣習に流されて、なんとかやり過ごそうと思っている。そういった印象を受けます。時代とともに、人のライフスタイルは変化しているので、こういった慣習を見直さなければなりません」(植田さん)
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お金の問題がクリアできればPTAを民間委託するのもアリ
前述のサービスは、保護者が個人的に依頼をして行った例ですが、PTAの予算を使って民間委託や代行サービスを利用する方法もありそうです。
「民間委託や代行サービスを使うことは、禁じ手とされがちです。もう少し柔軟な考えを持って、利用できるようであれば、利用したほうがいいと思います。ただし、PTAの予算は強制的に徴収されている場合もあり、ご家庭によっては苦しい経済状況の方もいて、そういったお金を活動負担軽減の目的で使うのは、あまりオススメできません。PTA活動を外注するなら、まずは強制加入で会費を集めることをやめる必要があります」
そう話すのは、自身もお子さんが通う学校のPTA会員であり、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(太郎次郎社エディタス)などの著者・大塚玲子さん。
もしも、大塚さんが指摘するお金に関する問題がクリアされ、会員の許諾がとれた場合、例えば役員に時給を支払うことも可能です。無償ボランティアから有償ボランティアに切り替われば、多少の負担や不満があっても目をつぶれるかもしれません。
保護者以外の手を使うからといって、それが間違いになるわけではないはず。PTAをよりよく、参加しやすい団体にするためには、活動内容を精査し、人手が足りない場合には、民間委託や代行サービスを使うという方法もあり、準備は整っている。旧態依然とした組織を見直し、現代のライフスタイルに合わせた柔軟な運用方法に、児童の父母が寛容になれるか。価値観の変化が求められています。
(文・奈古善晴/考務店)