大動脈瘤ができやすい人の特徴
生活習慣病がもとになり発症する事が多いですが、生活環境や嗜好品、遺伝的な要因なども原因となる事があります。大動脈瘤になりやすい人の特徴としては以下のようなものがあります。
生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病血圧)がある
生活習慣病によって動脈硬化が進行することで、血管壁に障害が加わり、大動脈瘤を発症しやすくなります。
特に生活習慣病を治療せずに放置している未治療の状態や、治療経過が長い、通院していてもコントロールが悪い場合にはリスクが高まります。
喫煙者
喫煙は動脈硬化を進行させる大きな要因の一つであり、大動脈瘤の増大、破裂、死亡の最大のリスク因子であるとされています。喫煙することによって、非喫煙者に比べて3-5倍のリスクとなります。
遺伝的な素因がある方
家族内で大動脈瘤や大動脈解離などになった方が多い場合や、それによると思われる突然死が多い場合には、Marfan症候群や Ehlers- Danlos症候群といった血管の壁が脆弱になる特殊な遺伝疾患が関与している可能性があります。これらの疾患では、血管壁の障害が発生しやすくなり、大動脈瘤を引き起こしやすくなります。
大動脈瘤の治療法
大動脈瘤は、一定の大きさを超えるまでは高血圧などの生活習慣病の管理が中心となりますが、手術が必要な大きさとなる場合や、急激な進行を認めるとき、合併症が出現する場合には外科治療で根治治療を行います。
ここでは、どのような治療があるか解説します。
薬物治療
大動脈瘤が発生しても、手術適応となるような大きさ、状態ではない場合には、血圧などの管理を厳格に行う、生活習慣病管理を中心とした内科的治療が行われます。
高血圧の場合、年齢にもよりますが、血圧130/80mmHg以下を保つことが重要です。
ステントグラフト内挿術
ステントグラフトとは、人工血管に、ばね状の金属の筒(ステント)を取り付けたものです。これを小さく圧縮した状態で、カテーテルという細い管に収納した状態で病変部までもって行き、大動脈瘤などの病変部の血管内で拡張させ、血管を内側から補強します。
胸を大きく切るような大掛かりな手術ではないため、胸やお腹を大きく切って行う人工血管置換術よりも負荷が少なく、高齢者や合併症があるような、通常の外科手術のリスクが高い場合でも実施しやすいメリットがあります
しかし、すべての部位に実施できるわけではなく、病変の部位や動脈瘤の状態、患者の病状などによって、その適応が判断されます。
人工血管置換術
大動脈瘤が生じた血管を、人工血管と置き換える手術です。胸やお腹を大きく切って行うため体にかかる負担が大きく、人工心肺を使用して行うことも多いため、体の負荷が大きい手術になります。大動脈瘤の場所によっては、大動脈弁置換術など、より広範囲の血管置換を行うこともあります。
病変の部位によっては、外科的な人工血管置換術とステントグラフト内挿術を併用したハイブリット手術が行われることもあります。
配信: Medical DOC