大動脈瘤の予防法
大動脈瘤は、生活習慣病や動脈硬化を進行させる生活習慣が原因となることが多く、発症を予防するためには血圧や脂質、血糖が高くならないようにする、生活習慣に気を付けることが非常に重要となります。
生活習慣に気をつける
多くの心疾患は動脈硬化が原因となるため、最も基本的な点は生活習慣に気をつける事です。気をつけるポイントとしては、以下のような点があります。
・塩分をとり過ぎない:1日の塩分量は6g以下を意識する
・カロリーをとり過ぎない:通常成人では、年齢や活動量に応じて1800-2600kcal程度のカロリー摂取が推奨されます。さらに、野菜や果物の積極的な摂取、脂分が多い食品をとり過ぎないことが推奨されます。
・太り過ぎない:BMI(体重[kg]÷身長[m]2)25未満を心がける
・運動習慣:軽く汗ばむ位の有酸素運動を1日60分(歩行なら1日8000歩以上)行う
・節酒:エタノールとして1日、男性20-30ml(日本酒1合、ビール中瓶2本、焼酎0.5合、ワイン2杯、ウイスキーダブル1杯に相当)、女性は約半分の10-20ml以下の制限が推奨されます。
・禁煙:喫煙は高血圧、心臓・脳血管疾患、肺疾患、悪性腫瘍等、様々な疾患リスクとなる事が証明されています。大動脈瘤などの血管疾患への影響も非常に大きいです。
健康診断、定期的な検査を受ける
大動脈瘤の原因となる高血圧等の生活習慣病や大動脈瘤は、定期的に健康診断や人間ドックなどを受けて、身体診察、心電図やレントゲン、採血検査、画像検査等を受けることで早期の診断、早期治療に繋げることが可能です。
より早い段階で診断・治療を行う事で、危険な状態になるまで病気を放置する事がなくなり、大動脈瘤による危険を下げることができます。
治療している病気をしっかりコントロールする
動脈瘤の原因となるような病気は、生活習慣病など慢性的な病気が多いため、適切な治療を受けることで病気の進行や血管に過度の負荷がかかる事を防止する事ができます。
高血圧や脂質異常、糖尿病などの生活習慣病は、治療が不十分であったり、治療を中断してしまうと動脈硬化を進行させ、血管の負担を増やして障害を与えてしまい、大動脈瘤を引き起こしてしまいます。内服をしっかり継続する事、医師による定期的な病状評価をうけること(診察や検査)、治療が不十分であれば治療強化を検討する事が非常に重要です。
「大動脈瘤」についてよくある質問
ここまで大動脈瘤について紹介しました。ここでは「大動脈瘤」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
大動脈瘤の初期症状について教えてください。
小鷹 悠二 医師
初期の大動脈瘤は無症状なことが大半です。
ただ、部位によっては比較的早い段階でも、前述のような咳や呼吸への影響、飲み込みにくさ、声枯れなどの症状が出現することがあります。
大動脈瘤を手術した場合の入院期間を教えてください。
小鷹 悠二 医師
治療する部位や術式、緊急手術かどうか、本人の年齢や体力、合併症など、様々な要因によって変わります。
予定して行う待機的手術の場合、2-3週間前後となることが一般的です。基本的にはステントグラフト内挿入術の方が、外科治療よりは短期間の入院となります。
緊急手術の場合は、より状態が悪い状態で手術を行うため、より長期間の入院とリハビリが必要になることが多いです。そのため1か月以上の入院となることもあります。
編集部まとめ
大動脈瘤は、進行して破裂してしまうと命の危険もある非常に危険な疾患です。
どのような病気か正しく理解し、適切な予防策を講じることでリスクを下げることができるため、少しでも皆さんの健康を守るためにお役立ていただければと思います。
「大動脈瘤」と関連する病気
「大動脈瘤」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
生活習慣系の病気高血圧脂質異常症糖尿病大動脈解離マルファン症候群
主に生活習慣病が原因となって発症することが多いと言われていまが、生活環境や嗜好品、遺伝的な要因なども原因となることがあります。
「大動脈瘤」と関連する症状
「大動脈瘤」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
胸痛や腹痛
突然死
咳
息切れ、呼吸困難
声枯れ
誤嚥
飲み込みの障害(嚥下障害)
大動脈瘤が進行して破裂すると致死率が高いので注意を要する病気です。多くは症状がないのですが、大動脈瘤の部位や大きさによっては上記のような症状が出現することもあります。
参考文献
配信: Medical DOC
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