大腸がんステージIIIの余命についてよくある質問
ここまで大腸がんステージIIIの症状や検査方法などを紹介しました。ここでは「大腸がんステージIIIの余命」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
大腸がんの深達度とステージはどのように違うのですか?
中路 幸之助(医師)
深達度はどれだけ大腸の壁に入り込んでいるかを示すものです。がんの深さが粘膜下層までにとどまっているものを早期がん、粘膜下層よりも深いものを進行がんといいます。また、がんの進行の程度をステージ(病期)として分類し、0期からIV期までの5段階をローマ数字で表記するのが一般的です。0期とI期(ステージ0とI)は、がんが発生したばかりの時期や、粘膜や粘膜下層の浅いところにとどまっている状態です。さらにステージIは深達度によって軽度浸潤と高度浸潤に分類され、ステージIの高度浸潤よりも進んだがんを進行がんといいます。さらに固有筋層の外まで浸潤したものがステージIIです。深達度が進み漿膜下層まで深く達するとリンパ節や血管を通して転移の可能性が出てきます。実際にリンパ節に転移が認められるとIII期(ステージIII)、ほかの臓器への転移が認められるIV4期(ステージIV)となります。
大腸がんのステージIIIではどのような治療を行いますか?
中路 幸之助(医師)
大腸がんステージIIIでは手術で病変の切除を行う標準治療が推奨されます。標準治療とは科学的根拠に基づいた観点から一般的に推奨される治療方法です。ステージIの軽度浸潤までなら内視鏡治療も可能ですが、ステージIの高度浸潤・II・IIIまで進行した場合はすべて開腹手術や腹腔鏡手術を行い病変を切除します。標準治療が基本ではありますが、本人の希望や身体の状態などを総合的に検討して、担当医と話し合って決めていきます。
編集部まとめ
大腸がんと診断されると、後何年生きられるのかが気になります。
大腸がんは進行度合いによってステージ0からステージIVの5段階があります。ステージIIIの場合、5年後も生存している確率は約79%です。
これはあくまでも統計上の数字ですし、個人差はあるので前後することもあるでしょう。早期発見できれば治療も早く始められます。便潜血検査はがんの発見にとても有効です。反対に放置すると重篤な状態になってしまいます。
大腸がんと診断されると動揺するのも当然ですが、正しい知識を身に着けて、自分らしい向き合い方を探しましょう。
配信: Medical DOC