胃がんの原因
胃がんの危険因子を中心に解説いたします。ピロリ菌の感染や食事、生活習慣の注意が必要です。
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
ヘリコバクターピロリ菌の感染は、胃がんの最も重要な危険因子です。ピロリ菌を除菌することで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発を抑制したり、胃がんの発生や再発を減らしたりすることができると報告されています。胃がんを予防するためにも、ピロリ菌の除菌を行いましょう。しかし、除菌をしても100%胃がんにかからないわけではありません。主治医と相談し、定期的な胃の内視鏡検査を行いましょう。
喫煙、飲酒
喫煙、飲酒ともに胃がんの危険因子となっています。喫煙に関しては、非喫煙者と比較し喫煙者は男性で1.8倍、女性で1.2倍胃がんにかかりやすいと報告されています。喫煙はそのほかのがんの危険因子でもあり、是非禁煙をしましょう。
飲酒に関しては、男性においてお酒を飲まない人と比較し、1日1合~2合飲む人で1.09倍、2~3合で1.18倍、3~4合で1.21倍、4合以上で1.29倍胃がんになるリスクが増加しました。飲酒量が多くなるほど危険性が高いといえます。この研究では女性で有意な差はみられませんでしたが、男性と比較し飲酒量が少ないためと考えられ、女性でも飲酒量が増えることは胃がんの危険性が増えると考えられます。飲酒に関しては、1日当たり飲酒量が1合(日本酒1合、ビール500mL)未満の適量で楽しむようにしてください。
食塩・高塩分食品の摂取過剰
日本人の食事は塩分が多いことが特徴です。塩辛、いくら、漬物などの高塩分食品を多く食べることが胃がんの危険因子となっています。このため、塩分の摂りすぎに注意をすることも、胃がんを予防する効果があると考えられます。
「胃がんの症状・おなら」についてよくある質問
ここまで胃がんの症状・おならなどを紹介しました。ここでは「胃がんの症状・おなら」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
胃がんが進行した可能性がある場合に出やすい症状について教えてください。
烏山 司 医師
黒っぽい便がありふらつきや動悸がある、食事がとれなくなり体重が減少してしまうといった症状がある場合には、重大な病気が隠れている可能性が高いです。胃がんでもこのような症状が起こることもありますし、そのほかの病気でも同様の症状となることもありうるため症状だけで区別をすることは難しいです。しかし、上記に挙げたような症状がある場合には病状が進行している可能性があり、早急に消化器内科を受診する必要があると考えられます。これらの症状が、必ずしも胃がんの手遅れの症状とは言えませんが、胃がんが進行しているときにも起こることがあり、注意が必要です。
配信: Medical DOC