監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
肺吸虫症の概要
肺吸虫症(はいきゅうちゅうしょう)とは、食品媒介によって感染する寄生虫の一種である「肺吸虫」が人体に寄生することで発症する病気です。肺吸虫はサワガニやイノシシの肉などに寄生していることがあり、主にそれらを生食したことが原因で、ヒトにも感染します。
肺吸虫症を発症すると、慢性的な咳嗽や血痰など、結核や肺がんに似た呼吸器症状がみられます。
肺吸虫症の治療には、寄生虫を駆除する薬物療法がとられます。
肺吸虫症は東アジア、南米、アフリカなどで多く報告されており、日本国内でも発症例のある感染症です。
肺吸虫症の原因
肺吸虫症の原因となるのは、肺吸虫と呼ばれる寄生虫です。
国内で感染・発症が報告されている肺吸虫には、宮崎肺吸虫とウエステルマン肺吸虫が知られています。
肺吸虫はサワガニやモズクガニといった淡水産のカニ、イノシシやシカの肉などに寄生している場合が多く、それらを生食する、あるいは加熱処理が不十分な状況で摂取したことが原因でヒトにも感染します。
肺吸虫は、体内に入ってから約2ヶ月かけて小腸から腹腔に移動します。
その後、腹腔から胸腔を通って肺へ移動し、肺の組織で成虫になると卵を産みはじめ、咳や血痰などの呼吸器症状を引き起こします。
配信: Medical DOC