「過活動膀胱」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「過活動膀胱」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

過活動膀胱の前兆や初期症状について

過活動膀胱の前兆や初期症状としては、以下のようなものがあります。

強い尿意

膀胱に尿が少ししかたまっていないにもかかわらず、急に強い尿意を感じる状態です。このような尿意切迫感は、日常生活や仕事中に突然起こることが多く、生活に支障が出る場面もあります。

頻尿

頻尿とは、日中に8回以上トイレに行く状態を指します。夜間頻尿も初期症状の一つであり、夜中に1回以上トイレに起きることが頻繁に起こります。これにより、睡眠の質が低下し、日中の活動に支障をきたすことがあります。

切迫性尿失禁

強い尿意を感じた際にトイレに間に合わずに尿が漏れてしまう状態です。冷たい水に触れた時や水の音を聞くと強い尿意を催して、漏れてしまうことが起こりやすくなります。

これらの症状がみられた場合、 泌尿器科を受診して適切な検査・治療を受けることをおすすめします。

過活動膀胱の検査・診断

ここでは、過活動膀胱診断するまでの検査について解説します。

問診

患者さんの症状や生活習慣、既往歴などを詳しく聞き取り、過活動膀胱の可能性を評価します。具体的には、尿意切迫感、頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁などの症状の有無や頻度を確認します。

尿検査

尿検査では、尿の成分や性質を分析し、血尿や細菌が入っていないか確認します。過活動膀胱と同じく頻尿を呈する疾患に、膀胱炎(間質性膀胱炎)があります。過活動膀胱は一般的に尿を「止める」治療になるため、膀胱炎がある場合悪化させてしまうかもしれません。尿トラブルにおいて、尿検査は必須の検査です。

超音波検査、残尿測定

超音波検査では、膀胱や腎臓の状態を確認し、結石や腫瘍などの異常がないかを調べます。残尿測定では、排尿後に膀胱内に残っている尿の量を測定し、排尿機能の評価を行います。

過活動膀胱症状質問票(OABSS)

過活動膀胱症状質問票(OABSS)は、症状の重症度を評価するためのシートです。尿意や排尿回数に関する4つの質問に対し、該当する回数の項目を選択します。
各質問にはそれぞれスコアが設定されており、全ての質問のスコアを合計して重症度を評価する形式です。質問の「急におしっこがしたくなり、我慢が難しいことがありましたか」の項目で週に1回以上を選択し、さらに全質問の総合点数が3点以上であれば過活動膀胱と診断されます。総合点数が5点以下は軽症、6~11点は中等症、12点以上は重症と判定されます。
これらの検査結果を総合的に判断し、過活動膀胱の診断が確定されます。診断が確定したら、適切な治療が開始されます。

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