「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の治療

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の治療では、抗生物質による感染の除去、炎症や皮膚障害に対する治療、皮膚を保護するための支持療法などが同時におこなわれます。

抗生物質の投与

黄色ブドウ球菌の増殖を抑え感染を除去するため、点滴または経口による抗生物質の投与を行います。使われる薬剤は、検査の結果に基づき、最も効果的な抗生物質が選択されます。

炎症や皮膚障害の治療

抗生物質の投与と同時に、炎症や皮膚障害に対する治療もおこなわれます。ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群では、患部をドレッシング材やガーゼ、包帯などで覆い、皮膚が乾燥しないよう保湿剤を使用するなど、火傷の治療に似た治療が施されます。

支持療法

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群では発熱や脱水が見られることもあり、必要に応じて解熱剤を投与します。点滴などで、水分・栄養の補給をするケースもあります。

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群になりやすい人・予防の方法

ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群になりやすい人は、新生児や乳幼児です。
乳幼児での発症はそれほど珍しいことでなく、治療する前に軽快するような軽症で発症するケースも多く、まれに重症化します。

就学年齢以上の児童や成人での発症はめったに見られませんが、腎機能低下などにより免疫力が極端に落ちている人は発症リスクがあります。
高齢者で発症すると、重症化しやすい傾向があります。

予防のためには、まず手洗いの徹底が重要です。黄色ブドウ球菌は皮膚や鼻腔内に常在していることが多く、乳幼児では手を介して発症のきっかけが生じる例が多いとされています。
皮膚上の小さな傷やかさぶた等をさわってしまわないように工夫し、皮膚を清潔に保つようにすることも、予防につながります。

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参考文献

恩賜財団 済生会「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群 (ぶどうきゅうきんせいねっしょうようひふしょうこうぐん)」

J-Stage「成人型ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群の1症例」

日本皮膚科学会「とびひQ13」

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