PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、トラウマ体験をした後に、そのできごとが繰り返し思い出され、現在も被害が続いているかのように感じる病気です。発症の原因や症状を知っておくことで早期発見につながります。
本記事ではPTSDの症状について以下の点を中心にご紹介します。
・PTSDになる原因
・PTSDの症状
・PTSDの治療法
PTSDの症状について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
≫「PTSDになりやすい人」の特徴はご存知ですか?症状や治療法も解説!【医師監修】
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは
PTSDはどのような病気ですか?
PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、トラウマ体験をした後、そのできごとが繰り返し思い出され、現在も被害が続いているかのように感じる病気です。地震や事故、戦闘、暴力などが原因となりやすく、直接的な体験だけでなく周囲の被害を目撃することでも発症することがあります。
子どもも含め、100人に1人程度が発症するとされています。自然に回復する場合もありますが、慢性化すると治療が難しくなることがあるため、早期の治療が重要です。
PTSDになる原因を教えてください
PTSDの原因は、戦争、自然災害、事故、暴力的な犯罪、虐待、重大な病気など、生命に関わる危険や極度のストレスを伴うトラウマ的なできごとを経験することです。
これらの体験が、精神的な耐性を超え、強烈な恐怖や無力感を引き起こした結果、脳がトラウマを処理しきれず、侵入的な記憶やフラッシュバックなどの症状が引き起こされます。
PTSDになりやすい人はいますか?
PTSDになりやすい方にはいくつかの特徴があります。
まず、強い恐怖や生命の危険を感じるような体験をした方がなりやすいとされています。例えば、性的虐待や暴力の被害者、戦争やレイプなどの過酷な経験をした方が該当します。
また、自然災害や事故を経験した場合でも、周囲からのサポートが不足し、孤立している方はPTSDを発症しやすい傾向にあります。
さらに、幼少期に虐待やトラウマ体験がある方、または複数の逆境を経験している方も、PTSDを発症するリスクが高まります。
また、カフェインやアドレナリン分泌が高まりやすい人も不安を感じやすく、PTSDになりやすいとされています。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状と診断方法
PTSDになるとどのような症状が現れますか?
PTSDになると、さまざまな症状が現れ、主に4つのカテゴリに分けられます。
・侵入的な記憶
トラウマ体験が予期せず繰り返し思い出される現象です。代表的なものとしてフラッシュバックや悪夢が含まれ、まるで再び体験しているかのように感じます。これらの記憶は、本人の意志とは関係なく突然現れ、日常生活に大きな影響を及ぼし、不安や恐怖を引き起こすことがあります。
・回避行動
トラウマ体験を思い出させる状況や場所、人との接触を避ける行動です。被害に関連するものを避けることで不安や恐怖を和らげようとすることで、日常生活に支障をきたすことがあります。例えば、事故現場や関係する人物を避ける、関連する話題に触れるのを避けるなど、さまざまな形で表れ、回避行動が強まると、社会生活から孤立することもあります。
・過覚醒
常に緊張状態にあり、過敏になっている状態を指します。音や動きに過剰に反応したり、睡眠障害や集中力の低下が起こることにより、イライラしやすくなったり、予期しない恐怖や不安を感じやすくなり、日常生活に支障をきたすことがあります。
・気分や思考の否定的変化
トラウマ体験後、自己評価が低下し、自身や周囲の方に対して否定的な感情を抱きやすくなります。また、喜びや興味を感じにくくなることや、罪悪感や無価値感に悩まされることにより、社会的な関係が希薄になり、孤立感が強まることがあります。
PTSDの診断方法を教えてください
PTSDの診断は、医師による問診をもとに、トラウマ体験が原因で症状が現れているかを確認します。
主な診断基準として、フラッシュバックや悪夢、回避行動、過覚醒、否定的な気分や思考の変化が1ヶ月以上続いているかが重視されます。また、これらの症状が日常生活や社会的機能に大きな影響を与えているかどうかも評価されます。
ほかの精神疾患や身体的要因が関与していないかを確認するため、詳細な問診や適切な検査も行われることもあります。
PTSDの疑いがある場合、どこに相談すればいいですか?
PTSDの疑いがある場合は、まず精神科や心療内科の医師に相談することが重要です。
心の健康を専門に扱うクリニックや病院では、適切な診断と治療を受けられます。
また、地域の精神保健福祉センターやカウンセリング施設でも、専門的な支援や相談を受けることが可能なようです。
早期の相談が症状の悪化を防ぎ、治療を円滑に進めるための第一歩となるため、躊躇せずに早めに相談しましょう。
配信: Medical DOC