直腸瘤の治療
直腸瘤の治療は、主に保存的療法と手術です。ただし、いきなり手術となることはまれで、まずは保存的療法を試みるケースが一般的です。
保存的療法
保存的療法には、便秘の改善や直腸への負担を軽減するためのさまざまな手法が含まれます。
便秘の症状が強い場合は、下剤や座薬を使って排便をコントロールします。
軽度の直腸瘤であれば、便を我慢してしまったり、便が固くなりすぎたりしない限り、自然な排便をおこなえる場合があります。生活リズムや食事などについて、腸の働きをよくする指導をおこないます。
保存的療法により「排便時の力みすぎ」や「慢性的な便秘」を改善できれば、直腸への負担が減り、直腸瘤の手術をしなくても自然な排便ができるようになる可能性があります。
手術
保存的療法をおこなっても症状が改善されない場合や、すでに重度の直腸瘤が認められるような場合は手術も検討されます。
手術は、腸と膣の間の壁を補強するものであり、肛門側からおこなう場合と膣側からおこなう場合があります。患者の希望も聞きながら、直腸瘤の状態に合わせて手術方法を決めます。
直腸瘤になりやすい人・予防の方法
直腸瘤は主に中高年以降の女性や、出産を経験している女性に多く見られる疾患です。
日常的に便秘症状を自覚している人、排便時や日常生活で力んでしまう癖がある人などは、発症リスクが高いと言えます。
直腸瘤を予防するには、日常生活で便秘にならないようにすることが大切です。バランスの取れた食事を心がけ、食物繊維を多く含む野菜や果物を摂取して、適度な運動をおこなうことは、直腸瘤の予防に役立ちます。
また、できるだけリラックスして排便できるような環境づくりを心がけると良いでしょう。
なお、症状として「排便障害」をともなう疾患は他にも数多くあります。
重篤な疾患を見逃さないためにも、便秘症状などが気になる場合は早めに肛門科などの医療機関を受診することは大切で、この疾患の予防だけでなく、他の疾患の早期発見にもつながります。
関連する病気
膀胱脱
子宮脱
参考文献
肛門の病気直腸瘤と排便障害|日本大腸肛門病学会
直腸瘤|東邦大学医療センター
配信: Medical DOC
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