血管拡張性肉芽腫の治療
多くの場合、血管拡張性肉芽腫は自然には消失しないため、治療によって取り除く必要があります。ただし、妊娠中に発生した場合は、出産後に自然に縮小または消失することがあるため、出血に気をつけながら経過観察をするケースもあります。
肉芽腫の大きさや発生した場所、患者さまの希望に応じて治療法を選択します。
主な治療法は「液体窒素による冷凍療法」「炭酸ガスレーザーによる焼却療法」であり、これらの治療法で治らない場合や肉芽腫のサイズが大きい場合は「切除手術」がおこなわれます。他に、電気凝固術や結紮術、ステロイド軟膏の塗布をおこなうケースもあります。
また、治療後も再発する可能性があるため、治療後のケアについても医師と相談しながら進めることが重要です。
液体窒素による冷凍療法
液体窒素を用いて肉芽腫を凍らせる治療法です。
冷凍することで細胞を破壊し、徐々に自然に取れることを目的としています。この治療法は複数回おこなうこともあります。
小さな血管拡張性肉芽腫に対して有効であり、特に初期段階の治療として選ばれることがあります。冷凍療法は外来でおこなえるケースもあるため、日帰りでの治療が可能です。
炭酸ガスレーザーによる焼却療法
炭酸ガスレーザーを使用して、血管拡張性肉芽腫を焼却する方法です。
この方法は、出血を抑えながら治療ができるため、出血しやすい部位におこなわれます。短時間で処置が終わるのが利点です。
レーザー治療は、一時的に腫れや赤みが見られることがありますが、通常は数日で落ち着くといわれています。見た目を重視する部位に効果的であり、傷跡が残りにくいことが特徴です。治療は外来でおこなわれることが多く、短時間で済むため、患者さまの負担が少ないのが魅力です。
また、炭酸ガスレーザーは細かい部分まで治療が可能で、再発のリスクを減らす効果が期待できます。
切除手術
血管拡張性肉芽腫が大きい場合や再発した場合には、切除手術がおこなわれることがあります。
局所麻酔を用いてできものを取り除き、必要に応じて縫合します。手術は日帰りでおこなえます。手術後のケアとして、傷あとにガーゼや医療用のフィルム剤などを貼って患部の清潔を保ち、感染を防ぐことが重要です。
血管拡張性肉芽腫になりやすい人・予防の方法
血管拡張性肉芽腫は、外傷や刺激を受けやすい方、妊娠中の方に発生しやすいです。
特に、手や指など頻繁に使う部位は、少しの傷からでも血管拡張性肉芽腫が発生することがあります。妊娠中の方は、ホルモンバランスの変化によって発生しやすくなるため、肌の状態に気をつけることが必要です。
血管拡張性肉芽腫を予防するためには、日常生活で手や指など外傷を受けやすい部位に注意し、傷ができたときに早めに処置することが大切です。
また、皮膚の異常を見つけた場合は、早めに皮膚科を受診することが予防につながります。
早めの対処により、血管拡張性肉芽腫が大きくなる前に治療をおこなうことができ、日常生活への影響を抑えられます。
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参考文献
皮膚科Q&AQ12赤アザにはどのようなものがあるのでしょうか?|皮膚科学会
配信: Medical DOC
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