食物繊維の効果
整腸作用がある
食物繊維は消化や体内への吸収がされないまま大腸を通過する栄養素です。消化酵素の影響を受けず、主に腸内を掃除する役目を担っています。便のかさを増やしたり腸内細菌(いわゆる善玉菌と呼ばれる細菌など)を増やしたりする作用があります。腸内環境が整うと免疫力が向上すると言われているだけでなく、質の良い睡眠を促したり、肥満を予防したりするなど、多くのメリットがあります。そのため、食物繊維は定期的に摂取しましょう。
血糖値の上昇を抑制する
食物繊維は糖質の吸収を遅くする作用があり、血糖値の急激な上昇を防ぎます。血糖値の理想的な数値は、空腹時が110mg/dl未満、食後は140mg/dl未満です。この範囲を超えた状態が続くと、糖尿病をはじめとした生活習慣病の原因になります。食物繊維を積極的に摂取することで、血糖値の上昇を緩やかにし、生活習慣病の予防に役立ちます。
コレステロール濃度を低下し高血圧を予防する
コレステロール値が高すぎると、動脈硬化により脳梗塞・心筋梗塞になりやすく大変危険です。水に溶けやすい水溶性食物繊維は、コレステロールやナトリウムを吸着して体外へと排出させる作用があります。この働きかけにより血中のコレステロール値が下がります。
食物繊維の多い食品
こんにゃく
食物繊維を多く含む代表的な食品のひとつです。成分の97%が水分のため低エネルギーで、ダイエット中の食事にもたびたび取り入れられています。食物繊維のほかにもカルシウムが豊富なため、カルシウム不足の解消にも期待できます。
きくらげ
きのこ類は全般的に食物繊維が多く含まれていますが、、なかでも乾燥したきくらげの食物繊維含有量は100g辺り57g以上と高い数値を誇っています。食物繊維のほかにもカルシウムやビタミンD・鉄分など美容にもうれしい栄養素が多数含まれているのでおすすめです。
寒天
海藻系の食品は食物繊維のほかにミネラルも多く含んでいます。なかでも寒天はデザートに取り入れやすいため、ダイエット中に甘いものを食べたいときにも有効です。ただし、寒天は水溶性食物繊維を多く含んでいるため、不溶性食物繊維を含む食品も摂取するなどの工夫をしましょう。
大豆・納豆
豆類は不溶性食物繊維を多く含む食品の代表とされていました。ただし、近年の研究では水溶性食物繊維量も充分な量を含んでいる可能性があり、そのため腸内環境の改善やコレステロール値の低下を促す効果が期待できます。大豆を使った煮つけやサラダなどのほか、大豆を発酵させた納豆も食物繊維が豊富なため、食事の付け合わせとしてより手軽に取り入れられます。
お茶
食物繊維を意識して取り入れる際は、飲み物をお茶類にするのも有効です。含有量が多いお茶は抹茶や玉露・紅茶などで、不溶性食物繊維の割合が高めです。なかでも抹茶は茶葉を丸ごと摂取しているため、より多くの食物繊維を摂取できます。
配信: Medical DOC