食物繊維が不足すると現れる症状
便秘・痔
食物繊維が不足すると、腸内環境が悪化して動きが滞り、便秘になってしまいます。便秘になるとお腹が張って腹痛が起こるほか、便も硬くなりすぎたり匂いが強くなったりしてスムーズに排便できません。便秘が続くと便が肛門を刺激して痔になってしまう場合もあります。便が1週間以上出ない場合は一般内科や消化器内科、胃腸科で見てもらえますが、痔になった場合は併せて肛門科も受診しましょう。
糖尿病(生活習慣病)
糖尿病は遺伝的要因も含まれますが、過食や運動不足などの環境要因が伴うことで罹患します。糖尿病はブドウ糖が血液中に流れ出てしまい高血糖になると発症するもので、合併症により慢性腎不全・神経障害(足のしびれや痛み)・視力低下や失明を引き起こす場合もあります。食物繊維が不足すると血糖値が上昇しやすくなり、これらの症状を誘発してしまいます。糖尿病の初期症状は倦怠感や疲労感のほか、排尿回数が極度に増えたり怪我や傷が治りにくくなったりなどが挙げられます。一見するとわかりづらい症状ばかりですが、気になる場合は内科や糖尿病内分泌科を受診しましょう。
大腸がん
ただし、極端に食物繊維の摂取量が不足している場合は罹患のリスクが高まる可能性も否定できません。いずれにしても、腸内環境が整うと悪玉菌が減り、毒素が排出されやすくなるため大腸がんを予防しやすくなります。大腸がんの症状は腹痛や食欲不振のほか、便に血が混じる場合もあります。気になる症状があれば消化器内科や消化器外科、内視鏡内科などを受診しましょう。
食物繊維の効率的な摂取方法
食物繊維と一緒に摂取すると効果を高める栄養素・食品
食物繊維は先述のとおり、水溶性と不溶性が含まれる食材を両方摂取するのが前提です。ご飯やパン・肉や魚などを単体で食べるよりも血糖値の上昇や脂質の吸収を抑えられるため、肥満の予防にもつながります。乳酸菌やビフィズス菌が含まれた飲料を一緒に摂取することも有効です。
食物繊維と一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品
原則どのような食品とも組み合わせて構いません。ただし、多量の不溶性食物繊維はミネラルなどの吸収を妨げることもあり、注意が必要です。現代の日本人は食物繊維が不足しやすいとの結果も報告されているため、サプリを併用していない限りは過剰摂取の心配はないでしょう。
食物繊維の効果を高める摂取タイミング
朝食時の摂取は体内時計をリセットして活動を促す研究結果が報告されています。また、昼食や間食時の摂取は血糖値の上昇を抑えやすくなる効果も期待できます。ご自身の生活状況や求める効果に合わせて摂取のタイミングを調整するとよいでしょう。
配信: Medical DOC