食生活での注意点
食事の仕方に気を配ることで、むし歯リスクを軽減できます。
甘いものを控えるだけではなく、食べ方を注意することでもむし歯の予防となり進行を遅らせるのに役立ちます。
糖分を摂りすぎない
むし歯のリスクを軽減するためには、糖分を摂りすぎないことと、糖分を含む食品やジュースなどの摂る回数を減らすことが大切です。
飴は、お口のなかで長時間なめるものなので、必要でなければ摂らない方がよいでしょう。
のどがイガイガするときに、のど飴が必要になるときがありますが、キシリトール配合でシュガーレスタイプのものを選ぶのもよい方法です。
キシリトールを使ったのど飴でも、果汁やはちみつが配合されているものもあるので、糖分を摂った場合と同じ対応が必要です。
摂る回数を決める
糖分を摂った後、歯磨きをする
歯磨きができない場合はうがいをする、またはお水を飲んで糖分を洗い流す
間食を頻繁にしない
間食を頻繁にしていると、むし歯の原因菌が糖分を栄養として酸を作り続けることになります。
お口のなかは中性pH7.0程度です。お口のなかが酸性になると歯の表面のエナメル質が溶け、むし歯のリスクが上がります。
酸性に傾いた口内が唾液の作用により元の状態に戻るには約1時間かかるため、間食を頻繁に行うとお口のなかは常に酸性に傾いた状態です。
糖分を含むジュースを頻繁に飲むことも、むし歯になりやすい要因のひとつとなります。
就寝中には唾液の分泌量が著しく低下するため、寝る前に夜食を食べ歯磨きもせず寝てしまうことは、してはいけない間食の取り方です。
間食は時間を決めて摂り、歯磨きをしていれば、楽しんでも問題ありません。
よく噛んで食べる
よく噛んで食べると唾液の分泌が促進されます。唾液には、細菌を減らす・酸の影響を少なくする・歯の再石灰化を促進する役割があります。
食べ物をよく噛むことは、歯の表面の汚れを取り除くのに有効です。やわらかい食べ物をあまり噛まずに食べているとプラークが歯についたままで細菌が増殖しやすくなります。
よく噛んで食べることが、むし歯の予防に効果的です。
食後はすぐに歯磨きをする
食事に砂糖が含まれていなくても、むし歯の原因菌の栄養となる糖分は含まれています。
食事をすると、プラーク中の細菌が糖分を取り込んで酸を作るため、食後すぐの歯磨きが予防に有効です。おやつも同様に食べたら歯磨きをします。
しかし、食事のたびに歯を磨くことは現実的に難しいため、朝食後・昼食後またはおやつの後・就寝前に歯を磨くとよいでしょう。
寝ている間は唾液の分泌量が減るため、お口のなかの細菌は活動しやすくなります。寝る前によく歯を磨いて細菌を減らしておくことが重要です。
むし歯を早期発見するためには?
セルフチェックでC1の状態を発見するには、歯の表面のエナメル質が白色や茶褐色に着色していることに気付かなければなりません。
しかしセルフチェックだけでは見落とすことも少なくありません。むし歯を早期発見するためには、定期的な歯科検診が必要です。
定期検診は、むし歯にならないこと、再発させないことが目的です。
定期検診を受けていると、むし歯が見つかっても初期の段階なので早期治療できます。年に3~4回のペースで定期的な検診を受けることが大切です。
定期検診では、新たなむし歯のチェックだけではなく、治療した歯でむし歯が再発していないかの確認も行います。治療後の詰めた部分のまわりや内側で2次感染が起こることがあるためです。
セルフチェックでは気付かないむし歯の発見は、定期検診でのチェックが必要となります。
また、むし歯の原因になるのは、プラークに存在する細菌です。歯ブラシやデンタルフロス・歯間ブラシを使用したセルフケアでは、すべてのプラークを取り除くことは不可能です。
取り残したプラークが歯石となってしまい、さらに落としにくくなります。定期検診では、セルフケアでは取り除けないプラークや歯石のクリーニングも重要な役割です。
配信: Medical DOC