肛門皮垂の前兆や初期症状について
肛門皮垂は、初期段階で目立った症状がないことが多く、自覚症状が少ないことが特徴です。
ただし、大きさによっては以下のような症状があらわれることもあります。
肛門周辺のしこり
排便時や入浴時に、肛門周囲に小さなしこりのような突起を感じることがあります。しこりが柔らかく痛みがない場合は、肛門皮垂である可能性が高いです。
しこりが痛みをともなう場合は他の疾患の可能性も考えられるため、放置せず、早めに医師に相談しましょう。
摩擦による軽いかゆみや違和感
肛門皮垂が下着や衣類とこすれると、かゆみや違和感が生じる場合があります。かゆみが強い場合は、皮垂が炎症を起こしている可能性があるため、症状が続く場合は受診して治療を検討しましょう。
トイレットペーパーや便に少量の血がつく
肛門皮垂自体は出血をともないませんが、便通やトイレットペーパーで強くこすると、皮膚が傷つき、少量の血が出ることがあります。
頻繁に出血が見られる場合、痔など他の肛門疾患の併発もしくは肛門皮垂ではない可能性があるため、早めに受診することが大切です。
肛門皮垂の検査・診断
基本的に肛門皮垂は、ほとんどの場合医師の視診と触診で診断可能であり、特別な検査は必要ありません。他の肛門疾患(痔核や裂肛など)との鑑別が必要な場合は、肛門鏡検査を実施することもあります。
視診・触診
医師が直接肛門周辺を観察して、肛門皮垂の有無、サイズ、形状、質感を確認します。肛門皮垂が痔核や裂肛によるものでないか、また肛門皮垂以外の異常がないかも確認します。
また、医師が直接手で肛門周囲を触れることで、皮垂の柔らかさや厚みを確認します。これによって皮垂の状態が分かるため、腫瘍など悪性の可能性がないかを判断します。また、触診時に痛みの有無も同時に確認します。
肛門鏡検査
必要に応じて、肛門鏡による肛門内部の検査が行われることがあります。とくに、出血や炎症が頻繁に見られる場合に、痔や裂肛など他の肛門疾患との鑑別するために行われます。
配信: Medical DOC