肛門皮垂の治療
肛門皮垂に対する治療は、症状の程度や患者の希望に応じて異なります。基本的に痛みやかゆみを伴わない場合は特に治療を行わず、経過観察とされることが多いです。
しかし、見た目の改善を希望する場合や、かゆみや違和感が強い場合には切除手術を検討します。
経過観察
肛門皮垂の症状がなく、日常生活に支障がない場合は、治療は行わず経過観察となります。多くの場合、肛門皮垂は自然に消失することはありませんが、痛みや悪化がなければそのまま放置しても問題はありません。しかし、気になる症状が出現した場合には、受診するようにしましょう。
軟膏や内服薬
肛門皮垂がかゆみや軽い炎症をともなう場合、症状を抑えるために軟膏や内服薬が処方されることがあります。肛門皮垂自体が改善するわけではありませんが、炎症やかゆみが抑えられるため、日常生活での違和感やかゆみ、痛みが減る効果があります。
切除手術
見た目が気になる、あるいは下着の摩擦で頻繁にかゆみが生じる場合などは、皮垂を切除する手術が行われることもあります。
肛門皮垂の切除手術は局所麻酔下で短時間で終わり、日帰りでの手術が可能です。術後は切除部位を清潔にして、腫れやしないようにするためのケアが必要になります。
肛門皮垂になりやすい人・予防の方法
肛門皮垂は、便秘や下痢を繰り返すことで発生しやすい傾向があります。そのため、慢性的な便秘や下痢を防ぐことが肛門皮垂の予防となります。便通の改善のために、食物繊維が豊富な食事の摂取、適度な運動、こまめな水分補給、ストレスをためこまないことなどを心がけると良いでしょう。
また、デスクワーク中心の生活を送っている人も注意が必要です。長時間座り続けることによって、痔核や裂肛の原因になる可能性があるため、座り仕事が多い場合は、1時間ごとに立ち上がるなどの対策が必要です。
関連する病気
痔核
肛門瘻
肛門癌
肛門乳頭腫
肛門狭窄
参考文献
日本大腸肛門病会誌「スキンタッグの治療”肛門美容形成”について」
医療法人社団 松愛会 松田病院「病気のお話」
医療法人社団 松愛会 松田病院「肛門疾患」
徳島県医師会「肛門垂」
配信: Medical DOC
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