監修医師:
久高 将太(琉球大学病院内分泌代謝内科)
琉球大学医学部卒業。琉球大学病院内分泌代謝内科所属。市中病院で初期研修を修了後、予防医学と関連の深い内分泌代謝科を専攻し、琉球大学病院で内科専攻医プログラム修了。今後は公衆衛生学も並行して学び、幅広い視野で予防医学を追求する。日本専門医機構認定内科専門医、日本医師会認定産業医。
黒色表皮腫の概要
黒色表皮腫(こくしょくひょうひふしゅ)は、皮膚が徐々に黒ずみ、厚くなり、硬くてざらざらとした感触(ビロード状)になる皮膚の病気です。一般的に脇の下や首の後ろ、関節の内側などの皮膚のしわに好発します。
黒色皮膚腫は、他の病気に合併して発症することが多いのが特徴です。病型は肥満症などに合併する「肥満関連型黒色表皮腫」、2型糖尿病や全身性エリテマトーデスなどに合併する「症候型黒色表皮腫」、内臓系のがんに合併する「悪性型黒色表皮腫」の3つに分類されます。
黒色表皮腫は命に関わる病気ではありませんが、体の中で何か異常が起きているサインだと言えるでしょう。皮膚の黒ずみや質感の変化などに気づいた場合は、医療機関を受診しましょう。
黒色表皮腫の原因
黒色表皮腫は、他の病気の合併症としてあらわれることが多く、なかでも肥満症が原因のケースが多く見られます。
肥満症によって、血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きが乱れることが関係しています。症候型の黒色皮膚腫も同様に、インスリンが関係しています。
その他にも、がんの発生や先天性、薬の副作用でも起こることがあります。がんが原因の場合は症状が広い範囲に出ることが多く、先天性の場合は新生児から10代くらいまでゆっくり進むのが特徴です。また、免疫の病気や、皮膚がこすれたり汗をかいたりすることでも黒色皮膚腫を発症することがあります。
配信: Medical DOC