黒色表皮腫の前兆や初期症状について
黒色表皮腫では、色素の沈着、肥厚化、質感の変化が主な症状です。時折、かゆみが生じることもあります。黒色表皮腫の症状は通常、特定の部位に左右対称で症状があらわれるのが特徴ですが、まれに片側に生じることもあります。また、病型によって症状があらわれる範囲や程度などに違いがあります。
皮膚の色素沈着
黒色表皮腫を発症すると、皮膚が徐々に濃くなります。最初は灰褐色として始まり、徐々に暗褐色、そして黒色へ変化していきます。発症したばかりの段階では、日焼けと見間違われることもありますが、時間が経っても皮膚の色が戻らないのが特徴です。
皮膚の肥厚化や質感の変化
色素沈着に続いて、皮膚が徐々に厚くなると同時に、表面が硬くてざらざらとした感触になります。触ると凹凸を感じるようになり、進行するといぼ状の隆起が見られることもあります。
黒色表皮腫の検査・診断
黒色表皮腫の診断は、症状のある皮膚の場所や状態、範囲、皮膚の色の変化、表面の様子などから総合的に判断することで可能です。
ただし、他の皮膚の病気との見分けが難しい場合は、より詳しい検査が必要です。
視診・触診
医師は症状のある部分を注意深く観察し、皮膚の色の変化や表面の状態を確認します。肉眼で判断できることもありますが、難しい場合は皮膚を拡大して観察できる「ダーモスコープ」という機器を使って調べることもあります。
また、皮膚に触れることで、皮膚の厚みや硬さ、表面の質感などを詳しく調べます。触診は特に重要で、ビロードのような特徴的な手触りや皮膚の盛り上がりの程度を確認します。
皮膚生検
皮膚生検は確実な診断のために行います。局所麻酔をして皮膚の一部を採取し、顕微鏡で詳しく観察します。皮膚の厚みや色素の沈着の度合い、皮膚の構造の変化などを確認することで、黒色表皮腫の特徴的な変化を見つけられます。
血液検査
血液検査では主に2つの目的で検査を行います。一つは糖尿病などの代謝異常を調べるためです。血糖値やHbA1c(糖と結びついているヘモグロビンの割合)、インスリンの値を測定します。
もう一つは、腫瘍マーカーを調べるためです。体の中にがんがないかを調べる検査で、特に胃がんなどの消化器のがんを示すCEAという物質や、膵臓などのがんを示すCA19-9という物質を調べます。これらの数値が高くなっている場合、がんが疑われるため、さらに詳しい検査が必要です。
画像検査
レントゲンや超音波検査、CTスキャンなどを使って、体の内部を詳しく調べます。特に、がんの可能性が考えられる場合には、PET-CTという特殊な検査でがんの有無や広がりを調べることがあります。
遺伝子検査
黒色表皮腫の家族歴があったり、出生当初から黒色表皮腫が疑われる場合は、遺伝子検査を行うことがあります。しかし、この検査はあまり一般的ではありません。
配信: Medical DOC