風邪を引いた時、眠気が気になる方も多いはず。仕事や日常生活で眠くならない風邪薬の選び方を「薬剤師」の大田さんに解説していただきました。
≫飲み薬には「錠剤」や「カプセル剤」などがあるけど、どんな違いがあるの?
監修薬剤師:
大田 優実(薬剤師)
大学卒業後、調剤薬局に就職。管理薬剤師の経験を経て、現在はドラッグストアに勤務。OTC医薬品も含め、医薬品の正しい使い方を伝えられるよう日々活動。
編集部
仕事中、眠くならないようにしたいのですが、眠気が起こらない風邪薬はありますか?
大田さん
漢方薬や、炎症を抑える成分のトラネキサム酸、去痰効果のあるカルボシステイン、気道粘膜を修整するブロムヘキシン、解熱鎮痛成分のアセトアミノフェン、ロキソプロフェン、イブプロフェンなどは眠気を起こしにくい薬です。具体的な市販薬として、漢方であれば風邪の初期症状に効く「葛根湯(かっこんとう)」鼻水に効く「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」咳症状に効く「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」などがあります。解熱鎮痛剤であればロキソニンS、アセトアミノフェンK錠、イブなどがあります。喉の症状であればトラネキサム酸配合のペラックT錠、痰の絡みに効くカルボシステイン、ブロムヘキシンの入ったストナなどがあります。
編集部
風邪薬を選ぶ時のポイントや対策は何ですか?
大田さん
何となく聞いたことのある名前の薬を選ぶのではなく、それぞれの症状に合った成分が入った薬を選ぶのがポイントです。症状が咳であれば、咳止めの成分だけが入っているもの、症状が鼻水であれば抗ヒスタミン剤のみが入っているものを選ぶといったことです。鼻水があるけど、第一世代のように眠気の出やすい抗ヒスタミン剤を服用したくない方であれば、花粉症に使用されている第二世代の抗ヒスタミン剤を選んでください。
編集部
風邪薬は錠剤やカプセルのイメージですが、ほかにもありますか?
大田さん
錠剤、カプセル剤以外にも顆粒やシロップもあります。錠剤やカプセル剤を飲み込むのが苦手な方は顆粒やシロップを選んだほうがいいでしょう。自己判断で錠剤を噛み砕く、カプセル剤のカプセルを外して飲むことはやめてください。薬を作る際、徐放性製剤といって薬がゆっくり溶けていくよう設計された薬もありますので、噛んだり、潰したりすると効果が変わってくる恐れがあります。
編集部
風邪薬を飲む際の注意点を教えてください。
大田さん
車の運転をする方は、風邪薬による眠気がでないかを確認するようにしてください。症状に合った成分や剤形を選び、正しく使用することで風邪を引いているときの辛い状態が少しでも楽になるといいですね。
※この記事はMedical DOCにて【【薬剤師監修】「風邪薬を飲むと眠くなる」理由を知っていますか? 注意するポイントや薬の選び方について】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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