体部白癬の前兆や初期症状について
体部白癬は、最初は赤い小さなブツブツとして現れることが一般的です。
その後、時間とともに赤い輪の形に拡大していきます。
この輪の中心部は正常で、縁に沿った部分が乾燥し、かさかさとした皮疹が見られるのが特徴です。
大きさは数ミリから体全体に広がる場合もあり、感染箇所も1つから数十箇所に及ぶことがあります。
一度治癒した部分から再び遠心性に拡大する皮疹が生じることもあります。
中心部は治りやすい傾向がありますが、周辺には紅斑や小さな水疱、鱗屑(うろこ状の皮膚)が見られることが一般的です。
体部白癬の検査・診断
体部白癬は似た症状を示す別の皮膚疾患との鑑別が重要です。
似た症状が現れる疾患として、脂漏性皮膚炎や乾癬、膿痂疹などが挙げられます。
他の疾患と見分けるため、皮膚にカビの一種である皮膚糸状菌が存在するかを確認します。
また、体部白癬は他の部位、たとえば自身の足や爪などから広がることがあります。
そのため、体部だけでなく足や爪もチェックすることがあります。
顕微鏡検査
白癬菌は皮膚の表面にいる菌で、主に角質、毛、爪に寄生します。
感染していると思われる部分からピンセットやメスの刃、ハサミなど鱗のようなものや水ぶくれのカバー、爪や毛を採取し、顕微鏡で観察します。
白癬菌が存在する場合、カビが糸のように見えたり、小さな胞子が分かれて見えたりするため、カビの存在を確認できます。
培養検査
顕微鏡による診断が難しい場合や、原因菌の特定が必要な場合には、真菌培養を行うこともあります。ただし、判定には約2週間かかります。
ウッド灯検査
顕微鏡検査や培養検査に加えて、ウッド灯(ブラックライト)を用いた検査が行われることもあります。特定の真菌はウッド灯の下で蛍光を発するため、診断の一助となります。
配信: Medical DOC