手強い!【アタマジラミ】その見分け方と知っておきたい予防法は?

第4回 夏に気をつけたい子どもの病気
アタマジラミが今もまだまだ多く発生しているのをご存じだろうか? 「シラミ=昔の話」「日本ではもう絶滅しているのでは?」そう勘違いしているママは多いかもしれないが、子どもたちの間では、まだまだ感染することが多い病気だ。そこで、医学博士の白畑敦先生を取材。アタマジラミとは何か? 予防法についても聞いた。

●アタマジラミの見分け方

「シラミにはいくつか種類がありますが、子どもが学校などで集団発生するのは、アタマジラミです。その名の通り、虫が頭髪に寄生して、卵が白い点状に毛根につき、かゆみや湿疹を引き起こします。もし子どもの髪の毛に“白いフケみたいのがついているな”と思ったら、アタマジラミの可能性があります。フケかアタマジラミの卵かを見極めるポイントは、髪をクシでとかしてみること。フケならすぐ取れますが、クシが引っかかったらシラミの卵の可能性があります」(白畑氏 以下同)

アタマジラミは、卵の段階ではあまりかゆみもなく、この段階で気づかずに学校に行ってしまうと、他の子にうつしてしまうこともある。1週間くらいで卵から成虫になるとかゆくなり、卵を何百と産んでしまうので、こうなる前に治療を! 今は、比較的簡単にできる治療法がある。

「今はドラッグストアでクシとセットになっているアタマジラミ専用シャンプー“スミスリン”が売っているので、これで駆除できます。1日1回、3日に1度ずつ使用してください」

しらみ 子ども

●アタマジラミの予防法とは?

「実はうちの子どもも、3人のうち2人がアタマジラミなったことがあります。スケート教室でヘルメットを共有していたらうつってしまいました。携帯ゲームやスマホで遊ぶ時も、並んで頭をくっつけたりしてしまうので、それだけでうつります。子どもたちが一緒にソファに座ったりする…そういった何気ない行動でもうつってしまいます」と語る白畑先生。

厄介なアタマジラミ…できることならうつることを避けたいものだが、予防法はあるのだろうか?

【予防策】
・なるべく頭が触れるものを共有しない
・思い切って髪の毛を切る

「帽子やヘアブラシなどを共有しないのはもちろん、タオルや寝具、枕を一緒に使わないでください。と言っても、まだ小さい兄弟は一緒に寝ると、どうしても枕や布団は一緒くたになってしまいますよね。兄弟がいる場合、もしも誰か1人がアタマジラミになってしまったら、他の兄弟の髪の毛にもシラミがいないか、よく観察してください。シラミは髪の毛に付着するので、髪の毛が長い方がつく可能性が高くなります。夏の間だけ、髪の毛を短く切ってしまうのもいいですね。女の子ならショートに、男の子なら坊主にすると予防策にはなります」

発展途上国よりも少ないとはいえ、まだまだ日本の学校でも発生しているアタマジラミ。不潔にしているからシラミがわくと勘違いしている人もいるが、それはまったく関係ない。子どもは無防備に頭をくっつけて遊ぶので、地域で一度流行ってしまうと、どうしようもないことが多いという。夏はプールなどでうつる可能性が高くなるが、1年中いつでも感染するので、日頃から子どもの頭をこまめにチェックして、卵の段階でなるべく早めに処置をしよう。アタマジラミになる可能性は、子どもでも大人でも誰にでもある

(取材・文/谷亜ヒロコ)

お話をうかがった人

白畑敦
白畑敦
医学博士
昭和大学医学部卒業後、大学病院の高度救命救急センター、地域救急病院での勤務経験を生かし地域医療に積極的に携わり2017年11月に横浜緑区にクリニック開業予定。
昭和大学医学部卒業後、大学病院の高度救命救急センター、地域救急病院での勤務経験を生かし地域医療に積極的に携わり2017年11月に横浜緑区にクリニック開業予定。