ところで、そもそも子どものムダ毛って、何歳くらいから処理すべき、あるいは処理して良いものなの? よしき皮膚科クリニック銀座の吉木伸子院長に聞いた。
「ムダ毛処理について、何歳という医学的な基準はありません。『毛深い』かどうかは、太っている・やせていると同様に主観的なものですし、ひと口に毛深いといっても太さ、長さ、密度、毛の黒さなど、さまざまな因子があります。また日焼けしているかどうかなど、肌の色によっても見え方が違ってきます」(吉木先生 以下同)
毛深いことを本人が悩んでいる場合や、逆に、本人は気にしていないものの、親のほうが気になる場合は、どうすれば?
「各家庭でお決めになっていいと思いますよ。ただ、本人が気にしていないのに、親が『うちの子は毛深い』と決め付けるのは間違いですし、本人が希望しないのに親が勧めて処理を始めることは避けましょう」
「本人が気にしていない」ということは、友だちから言われたりもしていないということなので、親がそれを指摘すべきではないと吉木先生はいう。
「外見上の問題を抱えていても、本人が友だちからとても人気があったり何かの才能をもっていたりするような場合、誰からもそれを指摘されないというケースもありますから、それならそれで良いことだと思います」
ただし、本人がムダ毛を友人にからかわれたり、どうしても気にして生活に支障が出てしまったりするのなら、処理を始めても良いそう。
●ムダ毛処理は肌に負担をかけるので、開始は遅いほうがベター
「ただ、大前提として、ムダ毛処理は肌に負担をかけます。処理を続けた年数に比例して肌のダメージは蓄積されていくので、開始年齢は遅いほうが良いということを知っておいてください」
逆に、まだ幼いうちに、本人が気にしてムダ毛を処理している場合、親がやめさせたくても、無理やりやめさせるのは難しいそう。
「あまり強行に言うと親子の信頼関係を壊すと思いますので、その場合は、処理によるダメージを本人に理解させ、より安全な方法を一緒に考えてあげましょう」
ママが「子どもに嫌な思いをさせたくない」「子どもにトラブルがあると心配」などと、つい先回りして心配してしまうことはある。
でも、お肌のことを考えたら、処理は遅ければ遅いほど良いそうなので、親が子どものムダ毛まで気にしたり、まして処理を勧めたりする必要はないようだ。
(田幸和歌子+ノオト)