「細菌性の膀胱炎の場合、尿を溜める袋である膀胱が細菌に感染して炎症を起こしています。膀胱に入った細菌は排尿することで出すことができます。このとき、尿はある程度、適切な量をシャーっと勢いよく出さないと残尿が残ってしまい、細菌を外に出すことができません。尿意を感じたタイミングでトイレに行くことが大切です」(松下先生 以下同)
適切な量を出すことが大事となると、頻繁にトイレに行くのはあまり良くないのだろうか?
「細菌を出す観点から考えると溜めすぎはもちろんよくありませんが、尿が膀胱にあまり溜まっていない状態なのに、親がおもらしを心配して頻繁にトイレに連れていくのはNGです。膀胱に尿が溜まる前に排尿することで、不快感がのこり、結局頻尿になってしまうこともあります。できるだけ子どもがおしっこをしたいと思うタイミングでトイレに行かせるようにしましょう」
また尿道に細菌が付くような不衛生な排せつの習慣も膀胱炎を起こす原因となるため、気を付けた方がいいそう。
「トイレで大便をしたときに、トイレットペーパーでお尻から前へ拭くと大腸菌が尿道に付きやすく、膀胱に上がってきてしまうと炎症を起こし膀胱炎になる可能性があります。お子さんには前から後ろへ拭くように、トイレでの紙の使い方を教えてあげてください」
●子どもの膀胱炎の確認方法は?
ではもし子どもが膀胱炎になってしまったとき、親はどのような様子で気付けるだろうか?
「頻尿でトイレに行く回数が増えるのが通常ですが、お子さんの場合、排尿痛でかえってトイレに行きたがらないこともあります。足を交差して尿を我慢、うずくまる、トイレに行くのを嫌がる、などの様子を見せたら、おしっこをするときに痛みがないかお子さんに話を聞いて、尿の色や匂いに異常がないか確認してみてください」
夏は体調を崩しやすい季節。子どもが膀胱炎にかからないように、普段からトイレの習慣を注意してみておこう。
(ノオト+石水典子)