皆さんは、日々、何本ほどの髪の毛が抜けるのかをご存じでしょうか。また、ある程度の本数が抜けるのは当然のことだと分かっていても、シャンプーをした後や起床時に枕もとに落ちた髪の毛を見て、「抜け毛が増えたかも…」と感じてしまったことはないでしょうか。この記事では、正常な範囲の抜け毛の本数や、抜け毛が増える原因、抜け毛を増やさないための工夫や治療法を説明します。ぜひ最後までご覧になり、薄毛・抜け毛に悩まないためのヒントとしてください。
一日の抜け毛が多くなる主な原因
ここからは、抜け毛が増える原因について解説していきます。
抜け毛が増える原因について教えてください。
前述した「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクルが乱れることが、抜け毛が増える原因です。では、ヘアサイクルが乱れるのにはどのような原因があるのでしょうか。まずは、生活習慣による影響です。栄養バランスのいい食事がとれていない、十分な睡眠がとれていない、過度なストレスがかかっている、過度な飲酒や喫煙をしているといった場合、ヘアサイクルが乱れる原因になります。
また、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの影響により、男性型脱毛症(AGA)になってしまった場合も、抜け毛が増えます。男性型脱毛症は、日本人男性の約3割がなっているといわれている疾患であり、思春期以降の男性であれば誰でもかかる可能性があります。頭頂部や生え際が薄くなってきている場合は、まずは男性型脱毛症を疑ってみてください。
抜け毛の本数を減らすためにどのようなことをしたら良いですか?
前述したような生活習慣の乱れがある場合は、その乱れを解消することから始めましょう。十分な睡眠をとること、栄養バランスのいい食事をとること、適度な運動をすること、ストレスをためないようにすることが大切です。頭皮のマッサージをしたり、帽子や日焼け止めなどを使って頭皮にダメージを残さないようにしたりと、頭皮のケアを行うのもおすすめです。また、男性の場合は男性型脱毛症になっている可能性があるので、医療機関で一度診てもらうことをおすすめします。男性型脱毛症は進行性のため、気づいた段階で早めに診察を受けておきましょう。
AGA(男性型脱毛症)治療について
男性型脱毛症とはどのような病気で、どのような治療が行われるのかを説明します。
AGA(男性型脱毛症)とはどのような病気ですか?
男性型脱毛症は、男性ホルモンや遺伝の影響によって起こる病気です。「額の生え際がM字型に薄くなってきている」「頭頂部の髪のボリュームがなくなり、頭皮が透けて見える」「抜けた髪の毛が細くて短い」といった自覚症状がある場合には、男性型脱毛症の可能性が高いといえるでしょう。一昔前までは、「年をとれば髪が薄くなるのは当たり前」という考え方が一般的でしたが、男性型脱毛症という病気の認知度が高くなってきたことで、薄毛や抜け毛は医療機関で治療を行うものという認識が一般的になりつつあります。
AGA(男性型脱毛症)の治療方法について教えてください。
男性型脱毛症で医療機関を受診する場合、まずは診察・カウンセリングを行い、症状や治療法の確認が行われます。そのうえで治療を開始した場合は、内服薬を中心とした薬が処方されるのが一般的です。内服薬は、ほとんどの場合は数カ月分まとめて処方され、その後は定期的に受診をして、経過の確認と薬の処方が行われるという流れになります。
AGA(男性型脱毛症)で用いる薬の種類について教えてください。
男性型脱毛症で用いられる代表的な薬としては、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルがあります。フィナステリドとデュタステリドは飲み薬であり、長期間服用することで、髪の毛を太く強くする作用が期待できます。ただし、肝機能障害が副作用として出る場合があるため、事前に健康状態をしっかりチェックしてから服用を開始する必要があります。ミノキシジルは頭皮への塗り薬です。
配信: Medical DOC