粉瘤ができやすい人はいる?粉瘤を放置した時のリスクや治療法まで解説

粉瘤ができやすい人はいる?粉瘤を放置した時のリスクや治療法まで解説

粉瘤と間違えやすい病気とそれぞれの治療方法


最後に、粉瘤と間違えやすい病気と、それに対する治療法についてご紹介します。

脂肪腫

脂肪腫(リポーマ)とは、皮下にできる良性の腫瘍です。脂肪や筋肉、血管、神経といった軟部組織にできる腫瘍の中で、最も発生頻度が高いと言われています。粉瘤と同じように体のどこにでも発生しますが、特に多くできる部位が首や肩・背中です。サイズとしては数mm程度のものから10cm以上のものまでさまざまで、気付かないこともしばしばあります。

痛みは基本的には伴わず、丸いドーム状に盛り上がっていることが特徴です。粉瘤は弾力のある触り心地ですが、脂肪腫の場合はゴムのように柔らかく、炎症を起こすことはありません。ただし、血管の中に腫瘍ができる「血管脂肪腫」の場合は痛みを感じる可能性があります。脂肪腫は内容物を注射器などで吸い出すことはできません。そのため、脂肪腫の真上の皮膚を切開し、組織を破らないように周囲から剥がして摘出するという治療法が一般的です。

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ニキビやおでき(せつ)も粉瘤と間違えやすい病気です。ニキビは、人間の約90%の人が経験すると言われている慢性炎症性疾患です。皮脂が毛穴に詰まり、そこにアクネ菌が増殖することでニキビを発症します。ストレスや不規則な生活スタイル、間違ったスキンケア、暴飲暴食などが原因と言われており、女性に多く見られます。命に直接関わる疾患ではありませんが、悪化すると跡が残る可能性もあるため、早めの治療が大切です。ニキビの治療としては、スキンケアや生活習慣の見直し、抗生物質の使用などが基本です。

おできは首や胸、顔、お尻によくできる疾患です。食中毒の原因としても知られている黄色ブドウ球菌が主な原因で、免疫が低下している時や外傷後にできた傷口から黄色ブドウ球菌が侵入することで発症します。肥満者や高齢者、糖尿病患者に多く見られます。放置していても自然に治ることがありますが、発熱や倦怠感などの症状悪化がある場合は、抗菌薬の内服や点滴治療を行う必要があります。これらの治療で症状緩和が見込めない場合は、切開をしてたまっている膿を外に出す処置が行われます。

まとめ


いかがでしたでしょうか?粉瘤の特徴や治療方法、リスク、間違えやすい病気などについて理解を深めることができたかと思います。粉瘤は良性のため命に別状はありませんが、痛みや腫れ、悪臭といった症状に悩まされてしまうかもしれません。そうならないためにも、皮膚にできものができた場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

参考文献

粉瘤|日本形成外科学会

アテローム(粉瘤) – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)

この記事の監修歯科医師

眞鍋 憲正医師(UT Austin)

信州大学医学部卒業 / 信州大学大学院疾患予防医科学専攻スポーツ医科学講座博士課程修了 / UT Southwestern Medical Center, Internal Medicine, Visiting Senior Scholar / Institute for Exercise and Environmental Medicine, Visiting Senior Scholar / UT Austin, Faculty of Education and Kinesiology, Cardiovascular aging research lab, Visiting Scholar

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