入れ歯の間違えたお手入れ方法
入れ歯のケアで、間違いやすいポイントをご紹介します。
間違えたケアは入れ歯の寿命を短くしてしまうので、注意しましょう。
熱湯による消毒
入れ歯の素材はプラスチックで作られているため、高熱に触れると変形してしまうという性質があります。
だいたい60度程度の温度に触れていると変形して噛み合わせが合わないような状態になる可能性が高くなっていますので、しっかりと消毒をしたいからといって熱湯に入れて煮沸消毒するというようなお手入れは厳禁です。
なお、熱に弱いと聞くと熱いお茶などを飲む際に大丈夫か心配になりますが、お茶などはお口に入ってくる段階で60度程度まで温度が下がっているため、普通に食事をしている状態ではあまり心配する必要はありません。
ただし、熱すぎるものを噛んだりすると変形の危険性がありますので、注意しましょう。
歯磨き粉の使用
市販の歯磨き粉には、ほとんどのケースで研磨剤が入っていて、この研磨剤により歯の表面を削ることで、汚れの除去やすっきりとした洗い心地を実現しています。
歯磨き粉によって健康被害が出るほど天然の歯が削られることはありませんが、入れ歯は材質によっては天然の歯よりも柔らかいため削られやすく、当然のことながら自己修復されるような機能は持ちませんので、研磨剤が含まれた歯磨き粉を使い続ければどんどん劣化が進んでしまいます。
硬いブラシの使用
汚れがなかなか落ちないからといって、硬いブラシを使用して強い力で磨いてしまうと、これも入れ歯の表面を削って劣化させてしまう要因となりますので、行わないようにしましょう。
入れ歯の表面が傷つくと、その部分に汚れなどが蓄積されやすくなり、より劣化しやすくなってしまうという悪循環にもつながります。
漂白剤などの使用
白い歯の部分に汚れが蓄積され、変色してしまった場合に漂白剤を使用したくなりますが、漂白剤につけてしまうと土台部分の変色などの可能性もありますのでNGです。
また、歯は真っ白ではなく残っているほかの歯に合わせた色で調整されていますので、漂白剤で単純に色を落としてしまうとよけいに目立つ状態になる可能性もあります。
汚れが蓄積されて取れないと感じたら、歯科医院での適切なクリーニングを受けるようにしましょう。
不適切な洗浄剤の使用
使用する洗浄剤の品質も重要です。十分な洗浄力がない洗浄剤や、製造からあまりにも時間が経っている洗浄剤など、品質が不十分なものを使用すると汚れをしっかりと落とせなかったり、入れ歯を劣化させてしまう場合があるので、歯科医師と相談して適切な洗浄剤を使用するようにしましょう。
入れ歯に使用されている素材によっては、市販の洗浄剤では細菌の繁殖を予防しにくくなってしまうため、専用の抗菌成分が入った洗浄剤が必要になる場合もあります。
入れ歯を長く使い続けるための保管方法
入れ歯の品質を維持し続けるためには、適切な保管方法を守ることも大切です。
特に、保健診療でつくられるプラスチック素材の入れ歯は乾燥に弱く、乾燥してしまうとひび割れたりといったリスクが高くなるため、水や洗浄剤につけて保管する必要があります。
自費診療で作られる入れ歯では乾燥に強いものなどもありますが、使用される素材や形状によって適切な保管方法は異なりますので、歯科医師の指示を守って正しく管理することが重要です。
配信: Medical DOC