●子どもの成長の芽を摘むヘリコプターペアレントとは?
「ヘリコプターペアレントとは、“子どもが失敗するのを見るのが耐えられない”“子どもに大変な目に遭ってほしくない”“子どもに可哀想な思いをさせたくない”“子どものために良かれと思って…”のような思いから過保護・過干渉が過ぎ、常に子どもの頭上を旋回し、何かあれば急降下するヘリコプターのように付きまとう親を皮肉った言葉です」(立石さん 以下同)
例えば、普段の生活のなかでこんなことをしてしまってないだろうか?
【幼児期】
・子どもが自分で出来ることを「出来ない」と決めつけて、先回りしてすべてやってしまう
・子どもが着たがっている服や履きたがっている靴を禁止し、親の趣味や思考を押し付ける
・危険と思うと、なんでもやる前に“危ないから止めなさい!”と阻止する。
・子どもが泥遊びをしたいと言っているのに、パズルで遊びなさいと強制する。
・友だちと遊ぼうとしている子どもに、ケンカもしていないうちから“仲良くあそびなさい”とクギを刺す。(ケンカすることが前提になっている)
【学童期以降】
・毎朝、子どもの忘れ物チェックを親がやる
・忘れ物をいちいち学校に届ける
・部活、委員会、友達関係、恋愛まで、すべて親が口を出す。
ヘリコプターペアレントは諸外国でも社会問題となっているそうで、こうした親の元で育った子どもに、将来にさまざまな悪影響を及ぼすという。
「わが子が失敗しないように先回りして、あれこれ世話を焼きすぎるがために、子どもは失敗体験もできず、成長や自立のチャンスを奪われてしまいます。また、『親の言うことを聞いていれば間違いない』と育てられているので、常に親の顔色を伺うようになるだけでなく、自分の意思で選んだ成功体験もないので、自信もなくなり自己肯定感も低くなってしまいます。わが子のため…という思いが、子どもの将来をここまで深刻なものにしてしまう可能性があるのです」
どんな親にとってもわが子は可愛くて大切。だからこそ、自分自身の力で生きていける子に育ててやらなければいけないと、立石さんは話します。
「親がずっと一生わが子を監視していられるわけではありません。子どもは失敗することでたくさんのことを学び、生きる術を身に付けていくのです。どうか成長のチャンスを取り除くことのないようにしてください」
花も水をやりすぎれば根腐れして枯れてしまいます。子育ても同じなのかもしれませんね。
(構成・文/横田裕美子)