きょうだいゲンカについていわれる「あるある」は、実際によくあること? 『子どもの心のコーチング』(PHP研究所)著者で、NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんは次のように話す。
「年齢が近いとケンカしやすいとか、離れているとあまりケンカしないということは確かにあります。でも、男ばかり3人でも子猫のように静かに寄り添い、励まし合う兄弟もいますし、いつも取っ組み合っている兄弟もいます。女の子も同じですよね」(菅原さん 以下同)
また、「真ん中の子は上から押さえつけられるし、下には親をとられてしまう難しい立場だから、スネたり、モメたりする子が多い」とよくいうが…。
「上と下を、真ん中の子がつないでいるケースもあります。『上はプレッシャーをかけるし、下は下で甘やかされるし、真ん中がいちばん好き勝手できて良かった』と感じている人もいますよ」
●子がスネたら、突き放さずに優しく気にかけるのが正解
「上だから」「下だから」「真ん中だから」ではなく、「人間はみんな一人ひとり違う」と理解しておくこと。そして、気質に合った育て方を探ることが大切だと、菅原さんはいう。
「『自分ばかりがケンカのときに怒られた』『親が上(あるいは下)ばかりかわいがって、自分は愛されなかった』と話す子がいますが、どんなに愛されても『愛されなかった』と感じる子もいるものです。もともと“難しい子”はいますから」
では、「難しい子」はその分愛情をたっぷりかけてあげたほうが良いのだろうか。
「愛情のかけ方はどの子も一緒で良いですが、スネたときは特別扱いしてあげたほうが良いですね。親は面倒くさくなって『スネてなさい』と突き放してしまいますが、そこは『おいで』と言葉をかけてあげること。それでも、スネていると来ないこともありますが、四六時中、子を迎え入れる雰囲気を出すことが大切です」
大切なのは、子どものスネに対して、親もスネないこと。そして、「気にかけているよ」「ここに居場所があるよ」という合図を出し続けることだそう。
親にとっては面倒くさい、子どものきょうだいゲンカ。でも、その面倒くささをきちんと引き受けておくと、大きくなってから楽になるそうなので、じっとガマンして付き合ってみよう。
(田幸和歌子+ノオト)