老舗の結婚式場「ホテル雅叙園東京」(東京・目黒区)は2月18日、今年9月いっぱいで建物所有者との定期建物賃貸借契約が満了となるため、10月1日以降は一時休館すると発表した。前日の発表では、全館リニューアル工事をするとしていたが、説明変更したかたちだ。
●予約していたという人「1年前からおさえていたのに」
雅叙園は2月17日、公式サイト上で「全館リニューアル工事のお知らせ」を掲載。10月から来年3月までの間、全館リニューアル工事をおこなうと発表した。
そのうえで、予約していた客について「個別にご連絡の上、誠意をもって対応させていただく所存」としていた。
この発表を受けて、結婚式を予約していたという人たちから「1年前から予約していたのに」「愕然とした。あってはならない」「人の幸せをなんだと思ってるんだろう?」などという批判の声がSNS上で上がっていた。
雅叙園は、東京都有形文化財指定「百段階段」などで知られる老舗の結婚式場。通常、結婚式場の予約は1年前からおこなうことが多い。
●「迷惑料10万円」に不満、日程変更に応じる人たちも
2月17日の発表を受けて、雅叙園から結婚式の予約をキャンセルされたという人たちからの声が続々と上がった。
「日程遅らせて別の会場を予約するしかない」「迷惑料10万円もらえるけど、根拠のない金額」などと対応に追われている様子だった。
こうした状況の中、雅叙園は2月18日、公式サイトから前日の発表を削除したうえで、改めて「休館のお知らせ」を掲載した。
この中で、全館リニューアル工事の説明はなくなり、建物所有者との定期建物賃貸借契約が満了となるためとされた。建物所有者は現在、外資系企業という。
雅叙園の広報担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、10月以降はどのような施設になるのか「申し上げられない」と回答した。
10月以降、結婚式や披露宴の予約は約180組入っており、現在のところ6〜7割が日程変更に応じているという。日程変更が難しい場合は、申込金20万円や迷惑料10万円を支払うとしている。
広報担当者は「お客様の気持に寄り添って相談・対応していきます」と話している。
配信: 弁護士ドットコム