高血糖の前兆や初期症状について
高血糖の症状は、血糖値の上昇の程度や持続期間によって異なります。軽度の高血糖では症状が現れないこともありますが、血糖値が非常に高くなると次のような症状が現れます。
1. のどの渇き
高血糖になると、体は血液中の余分な糖を排出しようとするため、尿の量が増えます。その結果、体内の水分が失われ、のどの渇きを強く感じるようになります。これは、体が水分を補給しようとする自然な反応です。
2. 頻尿
高血糖の際、体は糖を尿と一緒に排出しようとするため、尿の量が増えます。これに伴って、トイレに行く回数が増える「頻尿」の症状が現れます。特に、夜間に頻繁にトイレに行くようになった場合は、高血糖の可能性が考えられます。
3. 倦怠感
血糖値が高い状態が続くと、体がエネルギーを効果的に利用できなくなり、全身に疲労感や倦怠感を感じることがあります。血糖が上がっているにもかかわらず、細胞が必要なエネルギーを取り込めないため、体はエネルギー不足の状態に陥ります。
4. 体重減少
高血糖が続くと、体がエネルギーを効率的に利用できないため、体重が減少することがあります。これは、細胞が十分なエネルギーを得られず、筋肉や脂肪を分解してエネルギーを供給しようとするためです。
5. 感染症にかかりやすい
高血糖は、免疫機能を低下させるため、細菌やウイルスに感染しやすくなります。特に、皮膚感染症や尿路感染症が頻繁に起こる場合、高血糖が関係している可能性があります。
高血糖の検査・診断
高血糖の診断は、主に血液検査によって行われます。以下の検査方法を使用して、血糖値の異常を確認します。
1. 空腹時血糖値検査
10時間以上の絶食後に血液を採取して、血糖値を測定する方法です。空腹時血糖値が126mg/dL以上の場合、高血糖と診断されることがあります。この検査は、糖尿病の診断においても非常に重要です。
2. 随時血糖値検査
随時血糖値は、食事の影響を受けずにいつでも測定できる血糖値です。随時血糖値が200mg/dL以上の場合、糖尿病や高血糖状態が疑われます。
3. HbA1c検査
HbA1cは、過去2〜3か月間の平均的な血糖値を示す指標です。血液中のヘモグロビンに結合した糖の割合を測定することで、長期間にわたる血糖コントロールの状態を確認できます。HbA1cが6.5%以上の場合、糖尿病の診断基準に該当します。
4. 経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)
OGTTは、空腹時にブドウ糖水を飲んだ後、血糖値がどのように変化するかを調べる検査です。糖尿病や高血糖の診断に使用されます。2時間後の血糖値が200mg/dL以上であれば、糖尿病の疑いがあります。
5. 尿検査
高血糖の場合、尿に糖が含まれることがあります。尿検査で尿糖を確認することによって、高血糖の早期発見に役立つ事があります。ただし、尿糖は必ずしも高血糖を示すものではないため、診断基準には含まれません。
配信: Medical DOC