奥歯のインプラントの注意点
奥歯のインプラント治療が難しいケースはありますか?
奥歯のインプラント治療は、特定のケースで難しい場合があります。以下はその主な理由です。
上顎の奥歯のケース:上顎の奥歯部分は、上顎洞という空洞が存在し、骨の高さが不足することが多いため、インプラントが突き抜けるリスクがあります。
下顎の奥歯のケース:下顎の奥歯近くには血管や神経が通る下顎管が存在するため、これらを傷つけるリスクがあります。
骨の量が不足しているケース:歯を失うと骨が吸収され、骨の量が減少することがあります。この場合、人工骨などで骨を補う必要があることがあります。
特定の既往症があるケース:例えば、上顎洞に影響する既往症がある患者には、特定の治療が避けられることがあります。
奥歯のインプラントのリスクファクターについて教えてください
インプラント治療のリスクファクターは、手術、オッセオインテグレーションの達成と維持、上部構造の製作と維持の3つのカテゴリーに分けられます。手術に対するリスクファクターは、手術中に合併症が発生する可能性や手術操作を誤る可能性を示します。オッセオインテグレーションの達成と維持に影響を及ぼすリスクファクターは、手術創の治癒不全やインプラント体周囲の骨治癒に異常が起こる可能性を示します。上部構造の製作と維持に対するリスクファクターは、咬合や歯列の異常により上部構造が製作できない可能性や、インプラント治療を行う箇所の軟組織が適切に確保できない状況による審美的問題が発生する可能性を示します。これらのリスクファクターは、全身的なもの(例:高血圧、心疾患、糖尿病など)と局所的なもの(例:不良な骨質、骨量不足、喫煙など)にも分けられます。
これらのリスクファクターを理解し、適切な評価と対策をすることで、インプラント治療の成功確率を向上させることが可能です。
奥歯をインプラントに治療した後、気を付けることを教えてください
インプラント治療後のケアは非常に重要で、適切なメンテナンスがインプラントの寿命を延ばします。以下に注意すべきポイントを挙げます。
日々のセルフメンテナンス:インプラント周囲炎の発症リスクを低減するために欠かすことができないのが、毎日のセルフメンテナンスです。正しいブラッシング方法を習得し、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助的な清掃用具を使用することが大切です。
定期的な歯科診療:インプラントの状態を定期的にチェックするため、3ヶ月から半年に一度程度の定期検診を受けることを推奨します。検診ではインプラント周囲炎の症状の有無、噛み合わせ、インプラントの動揺度、歯周ポケットの深さなどをチェックします。
これらのケアを適切に行うことで、インプラントは長期間にわたり機能を維持し、口腔内の健康を保てます。
編集部まとめ
ここまで奥歯のインプラントのデメリットについてお伝えしてきました。奥歯のインプラントのデメリットについて要点をまとめると以下の通りです。
前歯のインプラントのほうが奥歯よりも難しい場合があり、審美性もより求められる
奥歯のインプラントをすることで、残っている歯を傷つけずに機能を取り戻せるメリットと、前歯と同様に料金が全額負担であるデメリットもある
奥歯のインプラント治療後は、日々のセルフメンテナンスや定期的な歯科診療を受けることが大切である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事の監修歯科医師
福田 尚美歯科医師(フリーランス)
歯科医師臨床研修終了後、審美歯科・ホワイトニング専門医院勤務。 / 一般歯科・小児歯科非常勤勤務。美容健康記事年間500記事作成したライター経験を生かして、歯科コンテンツ作成や歯科企業サポートやセミナーサポート等も行っている。
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配信: Medical DOC
