近年、「メンタルヘルス」という言葉をよく耳にするようになりました。「うつ病」に悩む方が増えているという話も耳にします。そこでうつ病の治療法について、心療内科医の薮野 淳也先生(Stay Fit Clinic 院長)にMedical DOC編集部が話を聞きました。
編集部
うつ病の治療にはどんなものがありますか?
薮野先生
うつ病の治療は、主に、休養、薬物療法、精神療法(カウンセリング)の3つがあります。 なかでも特に「休養」は重要で、休養をとりながら薬物療法や精神療法を行う場合がほとんどです。
編集部
ほかにはどんなものがありますか?
薮野先生
最近はマインドフルネス(瞑想)などもよいとされていますし、アメリカ発の新しいうつ病治療としては、磁気刺激で脳の特定部位を活性化させる「反復経頭蓋磁気刺激法(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation:rTMS)」があります。しかしこちらは、どの医療機関でも受けられるわけではないことや、保険適用外なのでやや高額なのが難点です。
編集部
もっと身近に取り入れられるものはありますか?
薮野先生
運動がおすすめです。運動をすると、脳内のセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質のバランスが改善され、気分が安定したり、抑うつ感が緩和されたりという研究データがあります。ちょっとしたウォーキングやランニングなどであれば、取り入れやすい方も多いと思います。
編集部
運動は身体的な効果だけではないのですね。
薮野先生
そうなのです。もちろん身体を動かすことで、血流が改善されてリラックスできたり、運動後に身体的な疲労が生じ、質の良い睡眠がとれたりなど、身体的な効果も数多く報告されています。運動は、うつ病などの治療はもちろん、予防という意味でもとても良いのです。
監修医師:
薮野 淳也(Stay Fit Clinic)
慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、徳島大学医学部へ入学、医師国家資格取得後、産業医として勤務し経験を積む。2023年、南青山に「Stay Fit Clinic 」を開院、院長となる。産業医だからこそできるサービスを提供し、働く人の健康管理とパフォーマンス向上、企業の生産性向上と業績UPを目指している。認定産業医、認定スポーツ医、健康運動指導士 、健康運動実践指導者。
※この記事はMedical DOCにて<うつ病などの「メンタルヘルス不調」の治療・予防に効果的な生活習慣とは?【医師解説】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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