インプラントの失敗率は?よくある失敗・原因・対処法を解説

インプラントの失敗率は?よくある失敗・原因・対処法を解説

インプラント治療で失敗する原因

インプラント治療で失敗する原因は、ある程度はわかっています。原因がわかれば、対処方法も明確になるでしょう。主な失敗の原因は下記の5つです。

不十分な治療計画

インプラント埋入不備

不十分な歯周病治療

メンテナンス不足

不十分な衛生管理

それぞれの失敗の原因について解説するので、参考にしてください。

手術前の検査や治療計画が不十分

インプラント手術を行う前に、検査・治療計画が十分行われていないと失敗のリスクが高まります。主な術前検査は下記の4つです。

健康状態の問診

口腔内検査

レントゲン・CT撮影

歯型の採取

上記4つの中でも、術前検査における健康状態の問診は欠かせません。糖尿病などの疾患がある場合はインプラント治療が困難になるからです。

そして口腔内検査では、歯周病の状態やむし歯の有無などを調べます。歯周病はインプラント治療にも影響があることが分かっていますので、事前の検査が必要です。

インプラント治療前の歯周病治療が不十分な場合、インプラント周囲炎を発症するリスクが高まります。インプラントは細菌に感染しやすいという特徴があるからです。

次にレントゲン・CT撮影で、顎の骨の状態を確かめます。インプラントは顎の骨に埋め込むため、十分な厚みがあるか確認しなければいけません。

もし顎の骨が十分ない場合は、骨を作る必要があります。顎の骨の厚みが不十分な状態でインプラントをすると、外れる可能性があるからです。

歯型の採取は、インプラントを埋め込むシミュレーションのために行います。どれくらいの大きさのインプラントを使用するかなど確認するためです。

これらの術前検査を行った後、具体的な治療計画を立てます。インプラントの埋入位置の決定には、ある程度時間がかかることがあるので注意しましょう。

インプラントが適切に埋め込まれていない

失敗の原因として、インプラントが適切に埋め込まれていない事例も挙げられます。インプラントは埋め込む際、位置・深さなどを適切に見極めなければいけません。

ここを誤ると、インプラントに過剰な噛み合わせの力がかかったり、感染のリスクとなったりすることがあるからです。

また、インプラントを埋め込む際の処置にも注意が必要です。

インプラント手術の際に使用するドリルと骨が過剰にこすれてしまい、周囲の骨がやけどをすることがあります。

これをオーバーヒートといい、骨へのダメージが原因でインプラントの結合を妨げる可能性があります。

メンテナンスが不十分

メンテナンスが不十分な場合も、インプラントの失敗率が高くなります。不十分なメンテナンスは、感染リスクを高めるからです。

治療後は、正しい歯の磨き方の指導があるかもしれません。日常的な歯磨きで、一定の感染リスクは抑えられるからです。

しかしそれだけでは不十分であり、歯科医院での定期検診も欠かせません。歯垢・歯石の除去も並行して行なう必要があるからです。

歯科医師による定期的なクリーニングは、インプラントを長持ちさせる役目を担っています。歯ブラシの届きにくい場所は、歯科医師の助けが必要です。

インプラントは治療が終わればおしまいではありません。定期的な検診・クリーニングが欠かせないので、気をつけましょう。

インプラントが適切に埋め込まれていない

衛生管理が不十分な場合、インプラントの失敗率を引き上げる原因になります。

インプラントの治療を行う際には、徹底した衛生管理が必要です。多くの歯科医院では、衛生管理のために新しい設備を取り入れています。

インプラントは感染しやすいというデメリットがあるため、衛生管理には細心の注意を払わなければなりません。

十分な衛生管理がなされていない歯科医院でインプラント治療を行った場合、術後に不具合が生じるなどのリスクが高くなります。

インプラント手術が失敗した場合の対処法

インプラントの失敗例と原因について解説してきました。このようなインプラントの失敗があった場合、どのように対処すればよいのでしょう。

主な対処法として2つがあげられます。

手術を受けた歯科医院に相談

別の歯科医院に相談

それぞれの対処法について解説するので、参考にしてください。

手術を受けた歯科医院に相談・再手術する

インプラント手術が失敗した場合、手術を受けた歯科医院に相談・再手術をする方法が一般的です。その理由として下記の2つがあげられます。

一度手術を受けているので安心

保証内での治療が可能

手術を受けた歯科医院なら、失敗の原因がわかるので手術などの対応も素早いでしょう。術前検査・問診などのデータも残っているので安心です。

また、歯科医院によっては同じ場所の再手術にあたるので保証内で治療を行ってくれるところもあります。

ただし、この場合はすべての歯科医院で対応しているわけではないので確認が必要です。

別の歯科医院に相談・再手術する

インプラントに失敗したら、別の歯科医院に相談・再手術を依頼することも考えましょう。主なメリットは別の方法を提案してもらえる点です。

歯科医院の中にはインプラントを除去せずに治療してくれるところもあるので、探してみるとよいでしょう。

ただし、別の歯科医院に相談・再手術を依頼する場合は新たな費用が発生します。

一度手術を受けた歯科医院なら、保障の範囲内で再手術が受けられるかもしれません。しかし、別の歯科医院の場合は別に費用が掛かります。費用の相場は30~50万円(税込)ほどだそうです。参考にしてみてください。

インプラントは費用が高くなる治療なので、別の歯科医院に相談・再手術を依頼する場合はよく考えたほうがよいでしょう。