むし歯の治療方法
どのような検査でむし歯かどうかわかりますか?
歯医者でのむし歯の検査は、医師が目視で確認するほかに、レントゲンやCTを使用します。
歯に穴が空いているものなど明らかにわかるむし歯は肉眼でも確認できますが、歯と歯が隣り合っている箇所や、詰め物などで隠れている箇所などは肉眼では確認できません。そのため、レントゲンやCTを活用してむし歯を発見します。 黒くなっている箇所はむし歯の可能性もありますが、単に色素が付着していたり食べ物が挟まっているだけの場合も考えられます。そのため、歯医者での検査時には、専門的な歯科クリーニングを行います。これによって歯石や歯垢で隠れて見えなくなっていたむし歯も発見しやすくなります。
歯の黒い部分をよく磨けばむし歯は治りますか?
歯の黒い部分が、初期むし歯なのか、重度のむし歯なのかによって、自然治癒できるかどうかは変わります。
歯の表面部分のみが少し変色している程度の初期のむし歯であれば、しっかりと歯を磨くことで自然に治っていく可能性があるといえます。
しかし、細菌に感染がエナメル質のなかにまで進行してしまっている場合は、よく磨いても自然に治ることはありません。
歯の黒い箇所がごくわずかな点に見えても、実は初期むし歯でないことがあるので、気になったらすぐに歯科医院での検査や治療を受けるようにしましょう。
むし歯を治す薬はありますか?
歯を機械で削らずに、薬だけで治療する方法はあります。
その1つがカリソルブ治療といって、むし歯の部分だけを薬で軟らかく溶かした後、手作業で取り除くという方法です。
カリソルブ治療は、予防治療の先進国といわれるスウェーデンで開発され、ヨーロッパで普及した治療法で、日本では2007年に厚生労働省が認可したのをきっかけに、保険診療ではなく自費診療にはなりますが徐々に普及してきています。
この治療の最大のメリットは、神経をとらずに治療できる点です。
デメリットとしては、軽度のむし歯には適用できますが、病巣の深い重度のむし歯には適用外なことが挙げられます。
適応可能かどうかは歯医者での診断が必要となりますので、気になる方は一度この治療に対応している歯科医院で相談してみるとよいでしょう。
歯医者でむし歯はどうやって治しますか?
むし歯の治療は、基本的には細菌に感染している箇所をドリルなどで物理的に除去し、それ以上の進行を防ぐことで行います。
エナメル質や象牙質といった部分までの感染であれば歯を削るだけですみますが、歯髄という歯の神経にまで達している場合は、神経を除去するなどの対応が必要になることもあります。
細菌に感染している箇所を徹底的に除去したら、穴が空いてしまったところに詰め物をしたり、歯の形をした被せ物をして、歯の内部に細菌が進入しないように蓋をして治療が完了となります。 神経を除去する根管治療が行われる場合は、徹底的に殺菌をするため、歯のなかに殺菌力のある薬剤を詰めて一定期間おくといった治療が行われることもあります。
編集部まとめ
むし歯は肉眼で確認できないものも多く、そのために気が付いたときにはかなり進行してしまっているというケースもあります。
肉眼で黒く見えるむし歯は確認がしやすい分、歯の治療を早めに行える可能性があるサインともいえます。
黒っぽく見えるところを発見したら、ご自分で悩むよりもまず歯医者に相談して、深刻な状態になる前に治療しましょう。
参考文献
むし歯 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020
日本小児歯科学会 | 小学生低学年
歯を削らずにむし歯を治す!?|公益社団法人神奈川県歯科医師会
この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)
朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務
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配信: Medical DOC
