【漫画『美味しんぼ』で覚えた非常食】雪山の別荘で遭難した山岡士郎が即興で作った「ローピン」に挑戦!

【漫画『美味しんぼ』で覚えた非常食】雪山の別荘で遭難した山岡士郎が即興で作った「ローピン」に挑戦!

「美味しんぼ」という漫画をご存じですか?もう40年以上前から連載されている漫画ですが、人気があってアニメにもなりました。その中に雪山の別荘で遭難した主人公が「ローピン」という非常食を作る話が出てきます。アニメでもこの話は放送されました。防災意識が年々高まる中、今またこの「ローピン」が話題になっているようです。冬山の別荘に閉じ込められて、「粉」と「ねぎ」しかない状況で作っていた「ローピン」。いったいどんな料理なのか、試しに作ってみました!


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山岡士郎(美味しんぼの主人公)の「ローピン」の材料と作り方

【材料】※2~3人分
薄力粉…200g
ぬるま湯…80ml(およそ30℃〜40℃、手でさわって熱くない程度の温度)
塩…適量
ゴマ油…適量
長ねぎ…1~2本(太い長ねぎなら1本)

長ねぎはみじん切りにしておきます。

【作り方】※調理時間:25分+寝かせる時間:1時間
1. ボウルに小麦粉とぬるま湯を入れてよく混ぜます。

2. ゴマ油を加えて練ります。

3. 耳たぶくらいの固さになるまで、広げながらよくこねます。

4. ラップをかけ、1時間そのまま寝かせます。

5. ボウルに長ねぎを入れ、塩、ゴマ油、小麦粉(分量外)をかるくまぶしておいておきます。

6. 生地が破れないように気をつけながら、できるだけ大きく薄く伸ばします。

7. 生地の上全体にゴマ油を薄く伸ばし、その上に長ねぎを広げて乗せます。

8. 塩を全体に軽く振りかけて端からしっかり巻き、渦巻き状にまとめます。

9. フライパンに薄くゴマ油をひき、弱火でフタをして焼きます。

10. 焼き目がついたら裏返し、弱火のままフタをして焼きます。

11. 器に盛りつけて出来上がりです。

ちょっと目を離したら若干焦げてしまいましたが、なんとなくそれっぽいローピンになりました。食べてみると一番外側はカリッと焼けていて内側は弾力が残っていて歯ごたえがあり、その中に長ねぎの香ばしさとゴマ油の香りを感じることができました。小麦粉を練って内側に具を入れて焼くという基本的な作り方は他の中華の餅と変わりませんが、限られた材料しかない中でシンプルなのにおいしい料理ができるというのはすばらしいことです。中華系の餅は中に肉を入れることが多いので長ねぎだけの餅では物足りない人もいると思いますが、災害に遭った時に都合よく肉があるとは思えませんし、長ねぎと塩でうまく味付けすればねぎ塩味になります。

漫画の中では雪山で遭難して食材が小麦粉、ゴマ油、長ねぎ、塩しかないという状況でしたが、確かにこれは災害時でもおいしく作ることができる非常食だなと思います。また似たようなものに葱油餅という長ねぎを巻き込んで焼く料理がありますが、見た目はちょっと似ているものの別物です。

「美味しんぼ」は1980年代に人気になった漫画で、1970年代の「包丁人味平」、それ以降の「クッキング・パパ」といった料理漫画の系譜に連なるひとつです。それまでスポ根漫画やギャグ漫画主流の週刊漫画でしたが、料理漫画というジャンルが確立され今もアニメやドラマにもなるほどの人気ジャンルになりました。あの人気番組「料理の鉄人」でさえ1990年代ですから、グルメブームの一端を担ったという意味では画期的な漫画でした。当時わたしは連載時に漫画で読んでいましたが、「美味しんぼ」から受けた影響は大きいと思います。

昨今の料理漫画のように詳細なレシピを掲載しているわけではないので漫画の絵とアニメの映像から読み取るしかないのですが、二度作ってみた感じでは長ねぎと塩の量は加減が必要だなと思います。具が長ねぎしかないのでたくさん入れたいところですが、入れすぎると水分が多くなり生地が破れやすくなります。

それと長ねぎを入れた生地を棒状にする工程。丸く伸ばした生地を棒状にしながら横にも伸ばしたりすると、渦巻きにするときに外側に負荷がかかって破れやすくなります。ですので、生地は初めから長方形に伸ばす方が棒状にしやすいかと。縦横が1対2か1対3くらいの長方形に伸ばしてから、棒状にしましょう。また、渦巻き状に巻いてからは、潰さないようにする方がいいと思います。

もう少し上手に作ってみたいので。再チャレンジしてみるつもり。

災害時にこれができれば立派な非常食になりますので、ぜひ作ってみてください!

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