2.任意保険で前職の保険を引き継げる
フリーランスになると社会保険から国民健康保険に切り替える人が多いですが、退職後も以前の社会保険を「任意継続」という方法で引き継げることをご存じですか? この制度を活用することで、最長2年間同じ保険に加入できるため、フリーランス初期の医療費負担を軽減できます。特に、医療費が3割負担で済むというメリットは見逃せません。
手続きは退職後20日以内に行う必要があり、期限が短い点には注意が必要です。必要書類を準備し、退職時に確認しておくことでスムーズに進められます。ただし、任意継続では保険料が全額自己負担となるため、現行の保険料をよく確認し、選択肢を比較することが大切です。
具体的には、収入や家族構成に応じて国民健康保険と任意継続の保険料を比較するのがおすすめです。例えば、収入が減少している場合は、国民健康保険の方が保険料が安くなる可能性があります。一方で、医療費が高額になりがちな場合は、3割負担が維持される任意継続の方がメリットが大きいことも。
どちらを選ぶにせよ、将来の予測を含めて慎重に検討することが重要です。任意継続保険を利用することで、急激な変化を避け、フリーランス初期の生活基盤を整えることができます。
3.青色申告で受けられるメリット
フリーランスになると避けて通れない確定申告。多くの人が「青色申告」を選んでいますが、これには驚くほど多くのメリットがあります。一番の魅力は、最大65万円の特別控除を受けられる点です。この控除を活用すれば、課税対象額を大幅に減らすことができ、結果として納税額が軽減されます。
さらに、青色申告なら経費として計上できる範囲が広がるのも大きな特徴です。例えば自宅を仕事場として使っている場合、家賃や光熱費、通信費の一部を「家事按分」として経費にできます。また、家族を従業員として雇用し、給与を支払う場合も経費として計上できるため、節税効果をさらに高めることが可能です。これにより、家族全体で節税対策を行うことができ、フリーランスとしての経済的な余裕を生み出します。
青色申告を始めるには、事前に税務署への申請が必要ですが、一度手続きを完了すれば、その後は毎年の節税効果を享受できます。加えて、帳簿作成を適切に行うことで、事業の収支をしっかり把握する習慣がつくという副次的なメリットも。
これからフリーランスとして活動する人は、少し手間を掛けてでも青色申告を選ぶことで大きな経済的効果を実感できるでしょう。税理士や会計ソフトの活用も視野に入れながら、スムーズな導入を目指してください。
(岩井なな)
配信: LASISA
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